CEL
2004年06月30日作成年月日 |
執筆者名 |
研究領域 |
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2004年06月30日 |
CEL |
都市・コミュニティ |
まちづくり |
情報誌CEL (Vol.69) |
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閉校した小学校をコンバージョン
京都市の四条烏丸周辺は、昔から西陣織などを取り扱う商家が多く集まっていたところ。そういう商人たちが、自分の子弟が通う学校として創立したのが「明倫小学校」だった。建物は昭和六年に改築され、平成五年に閉校となるまで六二年に渡って使われたが、京都市では、一時は取り壊しの話も出たこの小学校の持つ歴史や建物が持つ文化財的価値に着目し、京都における芸術振興の拠点施設として改築・再生させ、「京都芸術センター」として生まれ変わらせた。
オープンは平成一二年四月。同センターの企画から完成までを見続けてきた京都橘女子大学文化政策学部助教授の小暮宣雄氏は、「京都に蓄積されてきたすぐれた伝統文化を現代に活かしつつ、美術、音楽、演劇などさまざまな分野の芸術が出会い新たなものを生みだす場として、さらにその成果を生活や技術、産業へとつなぐことでいっそう豊かな都市を再生させる場として構想されました」と説明する。
同センターは、芸術の制作・提供の場として必要な改修は行っているが、基本的に、小学校の教室をそのまま利用した「制作室」をはじめ、昭和初期の建物らしい高い天井を活かしたギャラリー、講堂を再生した舞台芸術の公演などに使われるスペース、芸術に関する情報を提供する図書室など、もとの建物が持つ魅力を十分に活かした計画の下で行われた。