栗本 智代
2004年06月30日作成年月日 |
執筆者名 |
研究領域 |
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2004年06月30日 |
栗本 智代 |
都市・コミュニティ |
地域活性化 |
情報誌CEL (Vol.69) |
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化による大阪の活性化を目指して
大阪ミュージアム文化都市研究〜『大阪力事典』ができるまで〜
栗本 智代 Written by Tomoyo Kurimoto
はじめに
「大阪ミュージアム文化都市研究会」は、平成十三年春に立ち上がった。昨今、行政を中心に、「観光」、「文化」を基軸にした都市活性化への取り組みが積極的に謳われるようになり、『CELが主宰して、新たな視点で有意義な研究会が持てないか』と考えたのがきっかけである。大阪市立大学の橋爪紳也助教授のアドバイスを受け、観光学者の間でも着目されはじめた「エコミュージアム」という概念をベースに、大阪を見直して新たな都市像を描けないだろうかと、大阪(関西)を中心にまちの活性化や「場」づくりなどに携わっている中堅若手を中心としたメンバーを募り、研究会がスタートした。
平成十三年、十四年と、講師を招いての勉強会やシンポジウム、視察研究などを行い、年度ごとに中間報告書を作成した。そして、平成十五年度、それらの研究活動を世に問いたいと出版を試みた。『大阪力事典〜まちの愉しみ・まちの文化〜』(大阪ミュージアム文化都市研究会編、橋爪紳也監修)と題したその一冊は、平成十六年初夏に創元社から発行される予定である。以下、これまでの活動経緯と内容を紹介したい。
背景・問題意識
「国際集客都市」、「滞在型観光の推進」、「観光立都・大阪宣言」…。二十一世紀に入り、大阪府や大阪市の財界を中心に、文化的な側面からのアプローチで、都市の活性化を図ろうとする動きが盛んになっている。従来の手法である大規模文化施設によるまちづくりについては、「ユニバーサル・スタジオ・ジャパン」や「住まいのミュージアム」、「大阪歴史博物館」などが平成十三年に、ほぼ完成したが、これからはハコモノに頼るのではなく、その発信ソフトが問われるであろう。
これらの施設では、特別イベントや企画展、シンポジウムなど、これまでもいくつか興味深いプログラムがあったのは確かだが、常設の新鮮味が薄まっていく今後は、さらなる健闘が必然となる。また、民間発の複合商業施設開発が、今年も計画されているが、いかにカネが落ちるかだけでなく、いかにその「場」でしか体験できない独自のいい時間を過ごせるかということがポイントになってくる。