CEL
2004年03月26日作成年月日 |
執筆者名 |
研究領域 |
カテゴリー |
媒体(Vol.) |
備考 |
---|---|---|---|---|---|
2004年03月26日 |
CEL |
住まい・生活 |
住生活 |
情報誌CEL (Vol.68) |
ページ内にあります文章は抜粋版です。
全文をご覧いただくにはPDFをダウンロードしてください。
大阪の伝統的な住まい「長屋の暮らし」を再考
『大阪 新・長屋暮らしのすすめ』
大阪ガス エネルギー・文化研究所の客員研究員である弘本由香里が、大阪市立大学の橋爪紳也助教授らとともに執筆した『大阪 新・長屋ぐらしのすすめ』が、本年一月に発行された。
巻頭のカラー口絵では、今なお昭和の匂いを残す中崎町と空堀の今の姿を紹介しているのをはじめ、長屋研究をしている著者のレポートや、実際に長屋の再生を手がけ、現在に至るムーブメントを作り上げた実践者らの取り組み、歴史的考察などまで、幅広く多面的に、大阪における新しい『長屋暮らし』について言及している(詳しい内容は、下記の【本書の構成】を参考)。
近世から近代を経て、昭和四〇年代の高度成長期に至るまで、大阪の経済を支えた庶民が暮らした「長屋」。その魅力について、歴史の蓄積や意味はもとより、長屋によって形づくられたまちなみ形成への視点を交えながら、現在、その価値を再発見し、新たな命を吹き込むことで、新しい住まいや商いの場として再生している長屋の魅力をきめ細かく紹介している。また、若者を中心に、新しく長屋の居住者となった人々が、長屋の何に惹かれ、何を再生しようとしているのかを現場からの声も交えて取り上げている。さらに、これらの事象を通じて、二一世紀に相応しい都市再生のあり方まで問おうとしている。
大阪の長屋再生ムーブメントと、その背景にある大阪が誇るべき都市住宅・長屋文化の特徴、再生現場の技術と思想、そこに現在住む人々の声、そして実際の長屋暮らしのためのノウハウまで取り上げた本書は、ストック再生時代における生きたコンテンツとして、活用できるだろう。