山下 満智子
作成年月日 |
執筆者名 |
研究領域 |
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備考 |
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2003年12月25日 |
山下 満智子
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住まい・生活 |
食生活 |
情報誌CEL (Vol.67) |
外食や中食という形で食の外部化が進展している(平成一三年には四四パーセント)。その影響を心配して栄養バランスや美容、健康について消費者の関心が高くなっている。そのような食環境の中で、BSE(牛海綿状脳症)の発生が平成一三年九月日本でも確認された。また平成一四年には、BSEに関する補助金詐欺という大手食品企業の相次ぐ不祥事、鶏や豚肉のブランド詐称、違法な添加物、国内では禁止されている危険な農薬を使用した中国からの輸入野菜、輸入ダイエット薬による死亡事故などが次々明らかになった。食の安全・安心に関して、食品行政や流通販売業者への信頼は地に堕ちた感があった。
BSE発覚後、約一年が経過した平成一四年一〇月、大阪ガス エネルギー・文化研究所では、大阪ガスのレシピサイトでweb調査による食の安全・安心に対するアンケートを実施した。食の安全・安心に対する消費者の意識や行動について報告する。
アンケート結果から
一連の事件によって消費者の半数以上が日本の食の安全・安心は守られていないと回答した。そして添加物や農薬、有害物質など「食べ物を通じて知らない間に身体に入ってきているもの」を今もっとも問題に感じている。遺伝子組み替え食品やBSEへの関心の高さもそのあらわれと言えよう。
アンケートでは、消費者が食の安全・安心に関して工夫していることとして、地場や国産等の食品を買う、輸入食品や添加物の入った食品をできるだけ買わないことを挙げた。つまり買い物によって「食べ物を通じて知らない間に身体に入ってきているもの」を少しでも減らそうとしているのだ。