加茂 みどり
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2009年03月20日 |
加茂 みどり
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住まい・生活 |
住宅 |
CELレポート (Vol.36) |
■概要
スケルトン・インフィル住宅とは、建物をスケルトンとインフィルに分けてとらえる考え方に基づいた住宅を指す。スケルトンとは、柱・梁・構造壁・スラブなど建物の構造躯体であり、インフィルとは住戸の内装部分である。当初は、主に集合住宅における概念であったが、近年では戸建住宅にも適用される。
ライフスタイルや住生活の多様化により、住宅へのニーズは多様化している。また、地球環境への配慮から、住宅を長寿命化することが重要視されている。スケルトン・インフィル住宅は、このような社会背景に応えるものと考えられている。
■スケルトンとインフィル
スケルトンは、文字どおり建物の骨格であり、その建物の外観・ボリュームを決定づけ、街並みの一部となる。また集合住宅の場合、各住戸にとっては、都市のインフラと同様の役割も担う。このような意味で、スケルトンは公共的な質を備えている。基本的には、建物が存在する限り不変のものとされる。従来、耐用年数は100 年程度とされることが多かったが、建物の長寿命化がめざされる今日では、国土交通省より「超長期にわたって循環利用できる質の高い住宅」として「200 年住宅」という概念も示されており、より長期の耐用性・耐久性も期待される。
一方インフィルは、その住戸の使用者のニーズを反映すべきものとして、私的な質を備えている。使用者のニーズの変化や、使用者が入れ替わることに対応できる可変性が期待される。同時に環境保全に配慮し、できる限り廃棄物を出さずに変更できることが望ましい。また、物理的には、建物をスケルトンとインフィルという二つの概念だけで説明することは難しく、その中間的な位置づけとなる部分や、どちらにもあてはまらない部分も存在する。共用の設備や、住戸使用者の意志で形状の変わる可能性がある外壁などである。それらを「共用インフィル」あるいは「クラディング」という第3 の概念で説明する場合もある。