濱 惠介
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2009年01月24日 |
濱 惠介
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エネルギー・環境 |
地球環境 |
講演録 |
気候講演会、知って防ごう地球温暖化(講演レジュメ) |
講演趣旨
急速に進行する地球温暖化が主としてエネルギー大量消費の結果であり、今後の社会に深刻な影響を与え得ることは、もはや疑いの余地がない。これに対する責任を政策や企業に求めるだけでなく、市民みずからが温暖化防止に積極的な姿勢を取ることが必要である。
地球温暖化の進行を食い止めるため我々に何ができるのか。日常生活の場である住宅と暮らし方で実践できる地球温暖化防止策について考えたい。考えるだけでは不十分で、出来ることの全てに取り組む覚悟で臨まなければ、将来世代に対して責任が果たせない。
温暖化の主な原因は温室効果ガス(主に二酸化炭素=CO2)の過剰な排出である。CO2の主な発生源は化石燃料の消費、すなわちエネルギーの消費だから、エネルギーをもっと上手に使い消費を抑えるとともに、自然の力を有効に利用する必要がある。
住まいに関して消費されるエネルギーは、生活の過程だけでなく、建材の製造、運搬、住宅建設、取り壊しなど全ての段階で消費される。また廃棄物処理・リサイクルにもエネルギーは必要だ。わが国の住宅は平均30年程度で建て替えられているらしい。時間が作る味わいが出る前にゴミになり、実にもったいない。新築と取り壊しは、資源の消費と廃棄物の増加だけでなく温暖化の原因となるから、建物を永く使い続けることが特に大事だ。
しかし、温暖化に最も影響が大きいのは、毎日の生活で消費されるエネルギーである。自家用車を除く用途別に見ると、多い順に照明家電、給湯、暖房、調理、冷房となる。CO2の排出を抑制するには化石燃料の消費を減らすのが理解しやすいが、電力も火力発電所では石炭・石油・天然ガスを燃して作られ、家庭用からのCO2排出の約6割は電気の消費による。一方、CO2排出が少ないとされる原子力発電は、放射性廃棄物のリスク(潜在的危険性)という別な環境問題を抱えている。このような問題に対し、我々はどのように行動したら良いのだろうか。
まず、身近なこと、お金がかからないこと、難しくないことから始めてみよう。毎日の暮らしでは、エネルギーの無駄遣いに気付くこと。月に一度は電気・ガスなどの消費量を記録しグラフ化して、見えないエネルギーを実感しよう。それらを「面白い」、「気持ちよい」と感じ、環境意識が高まれば、本格的な行動・投資に発展して行く。