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弘本 由香里

2008年09月29日

大阪・上町台地の姿とつぶやきから減災へ クロスロードの試みと展示

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2008年09月29日

弘本 由香里

都市・コミュニティ

まちづくり

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クロスロードサポーター事務局『クロスロード新聞』第19号

ページ内にあります文章は抜粋版です。
全文をご覧いただくにはPDFをダウンロードしてください。

昨年11月、内閣府の中央防災審議会が内陸型直下地震の被害想定を公表しました。国内最大級の被害を想定されたのが、大阪の上町断層です。

上町断層は大阪府の北部から南部に続く断層帯ですが、その中心部は大阪市内を南北に走る洪積台地・上町台地に沿って地中深くに潜んでいるといわれています。長い時間をかけて形づくられてきた台地の上には、古くは四天王寺、難波宮、大坂城や数々の寺社が築かれ、人々が集い・暮らしを重ねてきました。いわば大阪の歴史の原点。また、公園や緑地にも恵まれ、学校や病院も数多く、大阪の都心居住の適地とされるエリアでもあります。近年、地域の歴史・文化特性に根ざした、個性豊かなまちづくりの取り組みも活発に繰り広げられるようになってきました。

けれど、もしも上町断層が動いたら…。想像するのは容易なことではありません。そんなとき、一つの入り口を見つけました。それが、クロスロードとの出会いです。上町台地界隈には特有の地形や土地の成り立ちと一体で育まれてきた暮らしとともに、特徴のある住環境が集積しています。たとえば、お寺がずらりと並ぶまち、多文化が息づくまち、たくさんの長屋が残るまち、新しいマンション群、時を重ねたコミュニティなど。

この夏、上町台地界隈の5つの場所で、まちづくり団体や地域の方々の協力を得て、クロスロードを試してみました。浮かび上がってくるさまざまな声は、正解のない問いへのとまどいにはじまり、やがて個々の暮らしとまちの関係を、災害という断面からリアルに見つめ、受け止め、考える方向へと向かっていきました。終了後の感想は、「災害時にお寺にできることは…」、「密集住宅地に囲まれた学校は地震・火災時どうなる…」、「長屋のまちを未来に継承するために…」、「マンションで非常時に知恵と力を合わせるには…」、「防災研修では得られないものが…」といった、自らへの具体的な問いに転じていました。

 

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