濱 惠介
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2008年06月02日 |
濱 惠介
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6月は旧暦の五月(皐月)に当たる。サツキ晴れとは、五月雨(さみだれ)の降る季節の晴れ間を意味する。英国では「ジューンブライド」という表現があるように爽やかな月だが、わが国では梅雨が始まり、湿気が気になる頃だ。
この季節、湿気は住まいの敵のように見られる。カビ・結露・ジメジメ感など良いイメージがない。カビは気温15℃以上、相対湿度70%以上で元気になるから、条件が合う梅雨時は特に工夫が必要だ。
近年はエアコン等で除湿できると言っても、機械力に頼らない湿気対策があってこそ、梅雨時を快適に過ごせる。
まず、窓の開閉が基本。雨が降る日の風通しは水分を室内に取り込むことになる。窓を開け放つのは、晴れ又は曇りの日に限る。晴れても雨上がりの外の湿度は非常に高い。
次に、室内でなるべく水蒸気を出さないこと。室内での洗濯物干し、植物への水やり、浴室・台所の換気忘れ等が原因となる。
一旦室内の空気に取り込まれた水分は、色々な素材が吸収して均衡状態になるが、それらには布団や衣類も含まれる。そこで内装材の役割が問われる。
本来の日本家屋は素地のままの木材、土壁、畳など湿気を吸って乾燥時に放出する素材が豊富にあった。雨の時でも室内は意外とカラッとしていたものだ。しかし、近年の家に一般的なビニールクロス貼りの壁や塗装されたフローリング等には、その効果が全くない。