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弘本 由香里

2008年03月20日

少子高齢社会の住宅ストックとまちづくり

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2008年03月20日

弘本 由香里

住まい・生活

住生活

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(財)住宅生産振興財団家とまちなみ』57号

ページ内にあります文章は抜粋版です。
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大阪・都心部のまちづくりに関わりながら、月に1〜2回の週末は、中国地方の一都市に暮らす母親の介護のため、実家に帰省する生活をこの3年ほど続けている。大都市と地方都市の往復運動のなかで、共通して実感することのひとつが、地域文化と住宅ストックの空洞化である。

2005年に日本の人口の自然増加率はマイナスに転じ、人口減少社会は現実のものとなっている。住宅に目を向けてみると、住宅戸数が世帯数を上回った1973年以降、住宅ストックは増加を続け、2003年の住宅・土地統計調査では、総住宅戸数の5387万戸に対して、空き家が660万戸(12.2%)にのぼり、空き家の地域的な偏在が引き起こすさまざまな社会問題も顕在化しつつある。こうした社会動向を背景に、筆者の所属する大阪ガス(株)エネルギー・文化研究所が2007年に実施した生活意識調査のなかで、高齢期の住まい方に関する考え方や、実の親の死去や高齢による転居・長期入院・施設入所などによる空き家の発生状況などに関するアンケートを行った。

同調査のサンプルは、層化二段無作為抽出法によるもので、全国の満20歳から71歳の男女1691人を対象とし、有効回答1161人(男性514人、女性647人)を得ている。20代の回答者が9.0%、30代が18.3%、40代が22.2%、50代が25.4%、60代が25.1%。40代以上の回答者が多いため、一戸建て住宅の居住者が78.5%、持ち家の居住者が79.2%と、全国平均に比べ若干高い割合となっている。なお、回答者の実父母の約8割が、65歳以上もしくはすでに死去している。

「実の親の死去、あるいは高齢による転居・長期入院・施設入所などをきっかけに、親自身やあなたのきょうだいが、それまで親世帯が住んでいた家の処分(持ち家の売却や借りていた家の契約解除)をしたことがありますか」との質問をしたところ、「ある」と答えた人は6.4%、「ない」が92.2%、無回答が0.8%であった。しかし、「ない」と回答した人(92.9%)のうちの、10.6%(50代では14.2%、60代では17.1%、うち60代男性は27.0%)が、「それまで親世帯が住んでいた家が、空き家もしくはほぼ空き家の状態になったり、別の人が住んだり、以前とは違う状態になっている」と答えている。

 

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