濱 惠介
作成年月日 |
執筆者名 |
研究領域 |
カテゴリー |
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備考 |
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2006年08月04日 |
濱 惠介
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エネルギー・環境 |
再生可能エネルギー |
講演録 |
日本エネルギー学会、第15回大会での発表 |
1.研究の背景と目的
住まいにおける太陽エネルギーの利用のひとつとして、温水器による湯の獲得という熱利用が比較的古くから実践されてきた。近年、太陽光発電システムによる電気利用の進展が著しいが、太陽熱温水器の新設数は撤去数を下回り、設備ストックとして減少傾向にあると言われる。地球温暖化防止への有力な手段として再生可能エネルギーの利用拡大が叫ばれ、太陽エネルギーの給湯利用もその一部をなす。しかし、政策的な支援も乏しく発展性がみられない。その原因のひとつに、実生活における正確な省エネルギー評価がなされていないこと、従って経済的効用も曖昧なこと、が考えられる。
この研究の目的は、実生活での給湯用途において利用し得る太陽エネルギーを、5年間にわたり筆者自宅で実測したデータにもとづき評価し、今後の太陽熱利用の進展に資することである。計測対象は、給湯用総熱量(カラン給湯及び浴槽自動湯張り・追い焚き)のうち?太陽の寄与分と?都市ガスの寄与分、?温水暖房用熱量及び?ガス消費量である。併せて、生活パターンと給湯負荷との関連を考察するため、浴槽に湯張りする入浴回数、居住人数等を記録した。
2.設備の概要
所在地:奈良市(筆者自宅)、居住人数:3→2名
住 宅:RC造一戸建(1972 年新築、1999 年改修)
温水器:日本電気硝子(NEG)社「サンファミリー」UK-20(貯湯槽を兼ねる汲み置き式真空管温水器、容量160 ?、
設置角度:水平に対し約27°、南南東向、温水器内の水温は室内モニターで確認可能)
熱源機:都市ガス給湯暖房熱源機(大阪ガス、エックスプリオールオート044-0175、2002 年7 月より試験用として135-6006 に取替え。以下単に熱源機という)
ミキシング装置:NEG の配管ユニット(圧力調整を兼ねる)、ノーリツのスカイブレンダー(2002/07 まで併用)
熱量計:愛知時計電機、EHSBO13P(M1、M3〜M7)及びEHDYH20P/EC28(M2)
回路等(図2):給湯回路は温水器直結で供給するものと熱源機で加熱するものの二つある。温水器の湯温を室内モニターで判断し手動三方弁で切り替える。水は水道水圧で貯湯槽を兼ねた温水器に入り、太陽熱で昇温される。60℃を超える場合は配管ユニットで水を混ぜで60℃に調整される。給湯箇所:台所流し、食洗機、浴室、洗面、洗濯機