弘本 由香里
作成年月日 |
執筆者名 |
研究領域 |
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2005年04月10日 |
弘本 由香里
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都市・コミュニティ |
まちづくり |
新聞・雑誌・書籍 |
こども環境活動支援協会「りいふ」vol.12 |
ほんとうの都市再生への問いかけ
「都心回帰」・「都心居住」が注目を集めている。大阪都心部でも、マンション建設ラッシュが続き人口も増加傾向にある。けれど、人口の回復=都市の再生と単純に捕らえることはできない。都市の活力とモラルを持続的に支える、都市居住文化とでもいうべきものが、まちとそこに暮らす人々との関わりの中で紡ぎだされ、発展的に継承されなければ、本質的な都市再生に結びつく動きとはいえないだろう。
大阪の都心部にあって、商業・業務一色に染まらず、歴史・文化、国際交流、医療・福祉、教育、宗教・・・と、多様な生活資源を蓄積している上町台地界隈は、大阪を代表する都心居住の適地とされているエリアである。こうした歴史的文脈と、世帯の小規模化、高齢化、空家の増加等と並行して進む大量の新規マンション供給等、アンビバレントな現実を背景にしながら、近年上町台地界隈では市民発意のユニークな活動の数々が動きだしている。
たとえば「長屋再生」を入り口に、新・旧文化の融合による地域活性化に取り組む「からほり倶楽部(空堀商店街界隈長屋再生プロジェクト)」。「コモンズの再生」「アート」をキーワードに、学び・癒し・楽しみの場としての地域・社会に開かれた寺院のあり方を模索する「應典院」・「應典院寺町倶楽部」、「人権」「多文化共生」をテーマにマイノリティの視点から社会のあり方を問う「コリアNGOセンター」、上町台地をめぐる数々の魅力の発信と魅力を結ぶレンタサイクル事業等を手がける「西代官山クラブ」などである。