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濱 惠介

2002年09月20日

既築の改修でエコ住宅を

作成年月日

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2002年09月20日

濱 惠介

住まい・生活

住宅

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(社)日本住宅協会「住宅」2002年9月号

ページ内にあります文章は抜粋版です。
全文をご覧いただくにはPDFをダウンロードしてください。

およそ4年前、私は関西への転職に伴い、奈良で永住の住まいづくりをすることになった。近年とみに話題になる地球温暖化やエネルギー資源の有限性を考えると、住宅づくりでも省エネルギーを最重要課題として考える必要がある。資源の枯渇や地域の廃棄物問題と関連付ければ、簡単に取壊したり新築することもためらわれる。

そこで、築後27年の鉄筋コンクリート造の戸建て住宅を購入し、環境にできる限り負担をかけないという目標で改修することにした。つまり既存の資源を活かし「環境共生住宅」(エコ住宅)に再生した訳だ。環境共生住宅にはいくつもの目標があるが、ここでは特に省資源・省エネルギーに重点を置いて計画した。

以下、改修のあらましと実際の暮らしぶりを紹介し、これからの住まいづくりの一方向を提案したい。なお、この住宅改修と暮らしの様子について、「わが家をエコ住宅に」を学芸出版社から出版した。ご関心のある方はご一読頂きたい。

1)省資源・長寿命化

日本の住宅は平均30年くらいで建替えられているらしい。欧米の100年前後と比べて、あまりにも短命だ。時間が醸す味が出る前にゴミとなってしまい、その繰り返しではいつまでも本物が蓄積されない。長寿命で省エネ性の高い住宅を新築するのも環境に配慮した住まいづくりだが、既築のエコ改修は、資源の有効利用から見てさらに有益と言えるだろう。

長寿命化の対策に先立ってコンクリートの劣化診断をした。強度的には全く問題無く、一部のサンプルで中性化が鉄筋の深さまで進んでいた。しかし、全体として見れば健全な状態にあり、まだまだ使えることを確認した。

躯体の寿命を伸ばす具体策としては、屋上の防水を更新したほか、最も厳しい状態に置かれるパラペット天端を金属笠木または防水材で保護し、後で述べる外断熱工法で外壁の主要部分を熱と雨水から遠ざけた。また、大きな片持ち梁の玄関庇はたわみで下がっていたので、ジャッキアップをして鋼管の柱で支えることにした。

改修工事の中で不要になった部材の再利用も省資源に役立つ。ここではガラス、床材、コンクリート、紙障子などをいろいろな形で再利用または別な目的に転用した。

 

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