山下 満智子
作成年月日 |
執筆者名 |
研究領域 |
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備考 |
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2002年09月10日 |
山下 満智子
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住まい・生活 |
食生活 |
新聞・雑誌・書籍 |
大阪市教育公社教育大阪VIVO LAVITAに掲載 |
夏休みが過ぎてほっとしている家庭も多いことでしょう。暑い夏、一番大変だったのは、毎日追われた三食の食事ではなかったでしょうか。家族のため栄養バランスの良いおいしい食事を作りたいという思いとは裏腹に家族それぞれの忙しさを口実についついファーストフードやインスタント食品に頼ってしまった夏休みではなかったでしょか。
その上、今年は食の安全・安心を脅かす事件が相次ぎました。昨年9月のBSE(牛海綿状脳症いわゆる狂牛病)の報告以来、雪印食品の牛肉偽装事件、鶏肉、豚肉の産地偽装、無認可香料問題、中国野菜農薬問題、そしてまた日本ハム子会社による牛肉買い上げに関する偽装隠蔽事件が明らかになりました。もういい加減にしてほしい、いったい何を信頼して食品を選んだら良いのかというのが多くの生活者の気持ちです。
今、社会システムとして、一刻も早い食の安全・安心の再構築が待たれています。一方、家庭や地域では、この30年大きく変化した食のスタイルを地球環境や地域という視点で見直す動きが出てきました。便利や簡単を追求した結果失ったものも多い食生活です。食生活の変化を振り返りながら食の安全・安心、健康そしておいしさ、楽しさ、安らぎのある「21世紀の食スタイル」について考えたいと思います。
1. 食生活の変化
塾の帰宅途中、夜遅くにコンビニにたむろする小・中学生。最初は驚いたこんな光景も今では見慣れたものになりました。子供は大人の鏡と言われますが、食生活も同じです。添加物の問題や一人食べの問題など子供たちの食生活の乱れを心配しながらも、すっかり親も子もコンビニを始めとする食の外部化、簡便化になじんでいるのが現実です。コンビニのない生活を考えることが難しくなっています。
さて、食生活は常に変化してきました。特に1970年からの30年の変化は非常に大きいものです。今の小・中学生は、既に親の世代が生まれた時から、あるいは思春期の頃には、コンビニやファーストフード、ファミリーレストランになじんでいる「コンビニ2世」といえます。
ファーストフードやファミリーレストラン、コンビニエンスストアなど日本の食生活の変化を簡単に振り返ってみましょう。