栗本 智代
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2002年03月28日 |
栗本 智代
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都市・コミュニティ |
地域活性化 |
新聞・雑誌・書籍 |
数年前、大阪にある中之島中央公会堂の改修に先立ち、なにわの語りべ公演を上演した。「この舞台で、あの有名なバイオリニスト、クライスラーが演奏会を行ったのです。今再現してみましょう!」スポットライトを浴びて若いバイオリニストが登場、気分次第で弾き方を変えるクライスラー風の演奏で場内を沸かせた。中之島の歴史から文化情報発信基地としての可能性まで、スライドと生オーケストラの調べにのせた語りは、好評だった。
大阪の活性化を目指しまちに伝承力をつける目的で、意外と知られていない地域の歩みや魅力を楽しく伝える活動を「なにわの語りべ」と自称している。当初、上司の発案で音楽語り「曽根崎心中考」を小さな劇場で発表した。自作自演など初めてだったが、舞台空間での緊張と興奮にくわえ、思いがけず再演の依頼までいただき、やみつきになってしまった。その後もコーラス隊を交えたり、スライドと芝居をドッキングさせたりして、プロのアーティストと新作を創り続けた。
自分で演じるだけでなく物語を掘り起こし語れる市民を増やすことが大事だと、語りべの師範養成講座も開いた。約100名の卒業生の方々は、地域のあちこちで発表会を行い活動を継続している。
今は、公演や語りべ養成への活動は充電期間中だが、いつか、文楽から現代アートまで、関西の文化芸術を集大成したパフォーマンスで、「まち物語」を披露したいと、ひそかに夢を育てている。