栗本 智代
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2002年03月14日 |
栗本 智代
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都市・コミュニティ |
地域活性化 |
新聞・雑誌・書籍 |
「確かに禍根を残す時代はあったが、戦争の世紀から平和の世紀へと変わった今、韓国と日本が共に手を携えて、地域活性化の中で意識改革できれば…。」大阪市生野区のコリアタウン、御幸通東商店街振興組合理事長は熱く語ってくれた。
生野区には、在日韓国朝鮮人が区民の約4分の1を占める程多く在住する。猪飼野といわれる地域にある御幸通商店街は、朝鮮市場とも呼ばれ、朝鮮料理の食材やチョゴリなどを扱った国際色あふれる店舗が軒を連ねる。平成5年、商店街にアーチ2基と街路灯18本を建て道路も塗装しなおし、「コリアタウン」「コリアロード」としてリフレッシュされた。
このあたりは遠い昔、百済からの渡来人が多数居住した地域である。近くの川や土地に「百済」の名前が残されており、仁徳天皇が百済の人やその文化を見に訪ねたという伝説が、神社の名前にも刻まれている。近代以降今日まで、在日韓国朝鮮人が大勢在住することになったのも、不思議な歴史的縁を感じさせられる。
そのつながりを大切にしたいと、コリアタウンのゲートに「百済門」という文字を入れることになった。今月24日に除幕式が行われる。今後にむけて、韓国と日本の交流歴史資料館を設ける構想もあるという。地域文化と巧みに結合しつつ独自の文化を創ったという「百済」の流れを受け継いだこのまちで、大阪の朝鮮文化の発展や日韓友好をめざした、新たな情報発信が期待できそうだ。