■地域の気候・風土とは

気候：各地における長期にわたる気象（気温・降雨など）の平均状態（広辞苑）

日本の気候には地域毎に多様な特色あり

風土：季節の循環に対応する土地の生命力（平凡社世界大百科事典）

klima （古ギ）その土地に射す太陽の傾斜→土地柄、風土へと概念が発展

climat （仏）気候、地方

climate （英）気候、風土、風潮

・「土地は太陽や雨に恵まれ、生命を培う力が風によってもたらされる」という信仰あり。「風土は土地の生命力」とも言える。気候は最も重要な要素。地震などの天災も含まれる。

・住まいとの関係では、気候条件に加えて、土地の傾斜（高低差）、土質・地盤、自然植生、生活習慣、手に入りやすい（地場の）建材、などとの関連性が想起される。

・結果として、長い時間をかけて形成された独自の建物や街並み（歴史遺産）にその姿を見ることができる。

・地域の風土とは、「その土地が本来的に持っている潜在的な力」とも解釈できる。

■関西の気候特徴

気候区分毎の特徴（データマップの気候区その他による、都市名は参考）

1）瀬戸内型（大阪、堺、豊中、高槻、和歌山、神戸、尼崎、姫路）

中国山地と四国山地などで夏と冬の季節風が遮られるため、一年中晴れの日が多い。降水量は比較的少ない。

2）中部・近畿内陸型（奈良、京都、大津、亀岡、上野、名張、橋本）

季節風の影響の少ない、山にかこまれた盆地特有の気候。夏暑く、冬寒い。雨は少なめ。

3）北陸型（豊岡、舞鶴、敦賀、彦根、福井）

冬は寒冷で、北西季節風の影響が大きく、雪が大量に降る。夏は暑く、梅雨や台風の影響が大きい。

4）太平洋沿岸型（御坊、田辺）

夏は南よりの季節風の影響が強く暑い、冬は乾燥した気候。晴天が多く、夏から秋にかけて梅雨と台風による降水量が多いが、全般的に温和な気候。暖流の影響が強い。