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濱 惠介

1999年11月25日

ベルリンの環境基準に読むドイツの建築・住宅づくり ・ die Bruecke

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1999年11月25日

濱 惠介

エネルギー・環境

環境対応

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ドイツは「環境先進国」と言われる。その理由は、環境問題に対する積極的な政策展開と着実な実現にある。1994 年にはドイツ憲法に当たる基本法で「環境保護を国家目標のひとつ」に定めた。1996 年には画期的な循環経済・廃棄物法が定められ、循環型社会を目指し廃棄物の生産者責任を明確にした。また昨年は、緑の党が政権の一角を占め、原子力発電の長期的な廃止の方向づけ、などさらなる環境政策の進展が見られる。建築・住宅分野においても、エコロジカルな意味で先進的取り組みが紹介されるが、政策・制度的にはどのような裏付けがなされているのであろうか。本稿は、統一ドイツの新首都となったベルリンの公共建築・公的住宅建設に関する環境基準を読み解くことにより、ドイツにおける建築・住宅づくりの環境政策ないしエコロジカルな方向性をより具体的に把握しようとするものである。

ベルリンは州の権限を持つ特別市である。10年前の1989 年にベルリンを東西に分断していた壁が消滅し、寂れていたかつての中心部は近年大規模な再開発により政治又は商業・業務の街として復興しつつある。同時に、荒廃していた東ベルリン市街は建築の修復・改良工事が進行している。ドイツは歴史的に地方分権の国で、ベルリンの方針がそのままドイツ全体の基準となる訳ではないが、首都の定める方針はそれなりに重要視されるものと推測される。

入手した基礎資料は、1)エコロジカルな計画及び建設に関する通知(基本方針、及びプロジェクト)、2)ベルリン市における公的支援を受ける社会住宅建設に関する指針、3)公的支援を受ける住宅における塩化ビニル使用禁止に関する改正点、及び4)公共建築における建材の使用禁止及び制限に関する通達、である。これらは、公共建築及び公的融資を受ける住宅や建築にのみ許可基準として適用される。従って純粋の民間建築は適応外であるが、その精神は将来全ての建築に当てはめられることを期待されている。報告する主な内容は省エネルギーと建築材料に関する規定と考え方である。なお、補足的に5)連邦健康官報、木材の試験実施方法、を引用した。

これらの他にも建築の環境に関する基準は存在するはずだが、とりあえずこの範囲の内容を理解しつつ、関連資料・ヒアリング・現地の観察等で、その意味するところを補足することとする。

 

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