濱 惠介
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2007年09月11日 |
濱 惠介
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エネルギー・環境 |
省エネルギー |
WEB |
日経BP・ECO JAPAN連載コラム(7) |
今回からこのコラムの話題は、日常生活の工夫から住宅に手を加える段階に移って行きます。最初のテーマは暖房エネルギーを少なくするための基本「断熱」です。
真冬の寒い季節に暖かい家は、それだけで居心地が良いものです。しかし、暖房をガンガン効かせて暖めるのでは、家計も環境も耐えられません。エネルギー消費を抑えながら暖かい住まいを実現するには、どんな条件が揃えばよいのでしょう。
お湯のところ(第4回 エネルギーの無駄を減らす(その2))で紹介した小学校時代のわが家には、「サンルーム」と呼ばれる場所がありました。それは座敷と障子で仕切られた幅一間(1.8m)の洋風広縁で、設計した建築家の伯父が洒落てそう名づけたのです。窓は南に面した全面ガラス。晴れていれば太陽がさんさんと差込み、火の気がなくても本当に気持ちの良い暖かさでした。
もうひとつの体験は、ストラスブールで住んでいた集合住宅(アパルトマン)のこと。秋から春にかけて、24時間ラジエーターの暖房が入りっぱなしで、外が零下10℃にもなる真冬でも暖かく、当時の日本の寒い室内とは全く違う感覚を持ちました。
いずれの場合も、今回のテーマである「断熱」には縁遠い建築でした。サンルームは太陽が当たっているときだけ暖かく、アパルトマンはシングルガラスから外へ熱が流れ放題のエネルギー浪費型暖房だったはずです。
これらの弱点をカバーし、少ないエネルギーで冬の寒い時期でも快適な室内気温を保つ鍵が、今回お話しする「断熱」です。暖房と冷房のエネルギー消費量を比較すると、関東・近畿でも圧倒的に暖房が大きく、断熱による暖房対策の重要さが分かります。