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情報誌CEL

こうちパパ楽会

2010年07月01日

遊びと学びを通した交流から子育てを楽しむ父親の輪

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2010年07月01日

こうちパパ楽会

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情報誌CEL (Vol.93)

ページ内にあります文章は抜粋版です。
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-父親と子供の絆が良好な家族関係を生む-
 新緑がまばゆい山間に、田植えを楽しむ父親と子どもの歓声がこだまする。高知県中西部・梼原町にある棚田で毎年田植えを体験するのは、県内で活動する父親主体の市民グループ「こうちパパ楽会」のメンバーたちだ。
 代表の松田高政さんは2児の父親で、仕事を持つ妻と義母の3者で子育てを分担している。しかし、「父親は子育ての悩みや相談を打ち明ける場がなく、孤立しがち」と感じていた松田さんは、こうち男女共同参画社会づくり財団の支援を受け、父親と子ども・父親同士のコミュニケーションの場づくりを目的に、知人の男性と2人で「こうちパパ楽会」を2004年に立ち上げた。
 月ごとに様々なイベントを企画し、父親と子どもを集めて開催するのが主な活動。定期的に参加する親子は現在15組ほどで、会員制ではなく、費用はそのつど参加者だけが支払う。飛び入りでの参加もOK。制約や義務感がないことで、「父と子で過ごす時間を純粋に楽しめる」と松田さん。イベントのある日は母親の休息日となり、 "父親は子どもとの絆を深めながら子育てにも協力できる"という一石二鳥の効果がある。
 パンや燻製、野菜づくり、マクロビオティックに書道教室…。イベントの内容は子ども向けというよりも、"父親の視点"で企画される。「自分たちがやりたい遊びを考えます。楽しくないと続かないから」。田植えや山遊び、キャンプや秘密基地づくりなど、アウトドアが多いのも父親ならでは。子どもにとっては遊びの経験が豊かになり、視野も広がる。参加するたびに楽しい思い出が親子の心に残り、「家族共通の話題が増えた」と他のメンバーも喜んでいる。
 さらに、小児科の医師を講師に病気やケガの対処法を学んだり、キャンプに救急蘇生法の訓練を盛り込むなど、学習の場も。また、ある父親の子どもがいじめにあったのをきっかけに、長野県教育委員会から講師を招き、「いじめ予防」がテーマのフォーラムも開催。父親が直面した子育ての不安を、メンバー共通の悩みとして受けとめ、一緒に解決する道を探る。
 「イベントに参加することでおのずと子育てを学び、父親としての意識も向上します。現代の核家族や共働き世帯は母親も孤立しやすいので、子育てをサポートする父親の役割は大きいと思う」と松田さん。
 遊びと学びを通した父親同士の交流は、仕事以外の人間関係や人生の楽しみも育む。子どもだけでなく父親の視野も広がり、心の余裕や家族への思いやりが生まれる。そんな「こうちパパ楽会」の活動は、良好な家族関係の形成に一役買っている。

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