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情報誌CEL

リチャード・ランガム

2011年01月11日

CEL TOPICS 特別インタビュー(ダイジェスト) 火と料理がヒト(人類)にもたらしたもの

作成年月日

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媒体(Vol.)

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2011年01月11日

リチャード・ランガム

住まい・生活

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食生活
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情報誌CEL (Vol.95)

ページ内にあります文章は抜粋版です。
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 霊長類行動生態学の世界的権威リチャード・ランガム博士は、新しい著書「Catching Fire:HOW COOKING MADE US HUMAN」において、ヒト(人類)の進化に火と火を使った料理が重要な役割を果たしたという考えを紹介した。この書籍は邦訳され、『火の賜物―ヒトは料理で進化した』(NTT出版)として最近日本でも発行された。2010年秋に京都で開催された第23回国際霊長類学会市民公開講座の基調講演者として来日された同博士を訪ね、火と料理がもたらしたものについてお話をうかがった。

−何がわれわれをヒト(人類)にしたのか−

― ランガム先生は、著書の中で、考古学では答えを見出せなかった「何がわれわれを人間にしたか」という、人類進化における根源的な問いに対し、生物人類学者として新しい考えを述べておられますね。それについてお聞かせください。

 「何がわれわれをヒト(人類)にしたのか」という問いに対して私は、われわれの精神やモラルではなく、ヒトは直立二足歩行をし、大きな脳を持ち、木登りがあまりうまくない種であるという身体的な特徴について考えました。それに対する従来の答えは、肉食による進化というものでしたが、私の新しい答えは「料理」であるというものです。
 ヒトの進化についての研究では、200万年前以後に起こった、類人猿に近い猿人の化石から、よりヒトに近い新しい化石への大きな変化が知られています。その頃に起こった食事の変化が重要な役割を果たしたと推測できますが、従来は、この猿人がより多くの肉を食べるようになり、それによってヒトになったのだと言われてきました。
 この猿人はかなり小柄で、チンパンジーほどの大きさでした。脳は比較的小さく、固いものを食べるために口と歯は大きく、また大きな消化器官を持っていました。木登りは上手でしたが、直立して地面を歩くことはあまりうまくはありませんでした。
 私の説は、アウストラロピテクスと呼ばれるこの猿人が火を使用するようになり、そこにいくつかの理由が重なり、身体的特徴の進化につながったのだというものです。
 火を使うことができるようになった結果、ヒトはそれを用いて食べ物を料理するようになりました。料理することには大きな効果がふたつあります。ひとつは食べ物が柔らかくなるということ。もうひとつは、食べ物からより多くのエネルギーが得られるということです。これらはいずれもたいへん重要なことです。

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