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情報誌CEL

菊池 信孝

2012年01月05日

市民による「買物ガイド」づくり

作成年月日

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2012年01月05日

菊池 信孝

住まい・生活

消費生活
ライフスタイル
その他

情報誌CEL (Vol.98)

ページ内にあります文章は抜粋版です。
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 日本では1000社以上が発行しているCSR報告書。企業の業績にとどまらず、企業活動に必要なエネルギーや廃棄物などの環境との関わりや、従業員の労働環境や社会貢献活動などの社会との関わりについても詳しく報告されています。私たちが日常的に使用している商品についても、経済・環境・社会にどのような影響を与えているのかが報告され、私たちの消費行動が社会に与える影響についても読み取れる報告書ですが、読んだことのある消費者は多くはないでしょう。さまざまな社会課題が山積しているなかでCSR活動への注目が集まっていますが、企業だけに社会課題の解決を迫ることや、企業だけで社会課題を解決することは難しく、私たち消費者も企業と一緒になって社会課題を解決していくことが求められています。
 そこで環境やダイバーシティなどの分野を超えたNPOや市民で構成する「CSRを応援するNPO・市民ネットワーク」では、企業のCSR活動を消費者にとっても身近で分かりやすい視点から評価し、その結果を買物ガイドとして提供する活動を2008年より開始しました。アメリカの環境保護NGO「CEP」が1986年より発行し、企業のCSR活動を商品カテゴリごとにA〜Fのランキングで評価した書籍「Shopping for a Better World」を参考にしつつ、日本版の買物ガイド出版に向けて実践的な調査研究をしています。この日本版の出版を通して、商品を買うときに「品質・価格・ブランド」だけではなく「CSR活動評価」も選択基準として考慮する消費者を生み出し、出来ていない企業を責めるボイコット(不買運動)ではなく、出来ている企業を応援するバイコットを通してCSR活動の一層の推進を図り、より良い社会づくりに消費者も参加できる仕組みをつくることを目指しています。
 現在は、私たちの日常生活に密接する6業種(自動車・家電・生活用品・飲料・製菓・衣料)から市場シェアの大きい約30社を対象に、市民目線から作成したCSR活動評価基準をもとに調査・ヒアリングを実施。CSR活動評価基準は各分野で専門性の高いNPOが分野を超えて集まっている当ネットワークの特徴を活かし、持続可能な社会・社会貢献・環境・消費者・子ども・働きかたの6つの視点から消費者に伝えたいことを絞りこみ、一歩踏み込んだ調査を実施しています。来月より関西と関東にて調査結果の報告会を開催するとともに、2012年度には買物ガイドの出版を予定しています。

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