志波 徹
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2012年02月14日 |
志波 徹
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エネルギー・環境 |
その他 |
情報誌CEL (Vol.99) |
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-創業当時-
エネルギー・文化研究所(CEL)は、1986年4月に、大阪ガスの80周年記念事業のひとつとして創設された。当時、大阪ガスは、「総合生活産業」を目指して、事業の多角化を図っていたが、その中で、長期的な視点と広い視野で、社会の動きや未来のあり姿を研究し、社内外に発信し、そのことを通じて、大阪ガスグループの将来の発展に寄与することを目的に設立された。
設立当初、専従の研究者は7名。「エネルギー」「生活、ライフスタイル」「街づくり・未来住宅」「文化」の4つの研究領域で活動を開始した。
当時は、右肩上がりで成長してきた世の中が大きく変化し、いままでの価値観が大きく変わっていく頃で、以下の3つが研究方針として挙げられている。
(1)固定概念を排除し、当然と思っていることも探求していく。10〜20年後の将来の地域社会や、生活のあるべき姿など、ハードよりもソフト、ヒューマンウェアの研究を行う。
(2)研究の視点は外に置き、外の社会から大阪ガスグループを見つめていく。
(3)ペーパーのアウトプットだけでなく、フィールドワークも重視していく。
これらは、現在の研究方針にも継承されている。
オフィスのレイアウトも斬新で、実験的な要素を盛り込んだレイアウトになっていた。低いパーテーションが設置された机がCの字に並べられ、討議スペースを囲んでいる。オープンで、議論がおもしろければ、誰でも参加できるようになっている。参加しない場合でも、何を話していたかがわかる。また、会議室型の部屋もあり、こちらには、議論に疲れた時などに、議論の内容も聞きながら、休憩ができるリタイヤシートが設けられていた。これまでの常識を排除することを形に表すと同時に、創造的な仕事に適したレイアウトを目指したものであったと言える。
-設立後の活動-
CELの設立後の活動の中でのトピック的なものとして、まず、ジオ・カタストロフィ研究会がある。1990年頃、既に地球温暖化問題が、課題になっており、海面上昇や異常気象、生態系への影響などが直線的な因果関係で語られていた。しかし、さらに周辺の様々な条件に影響を与えるに違いないが、それをどのように解きほぐしていったらいいか?と当時の所長が考えていた。そのような時に、東海大学の坂田俊文先生などの有識者との出会いがあり、研究会が立ち上がった。