(社)東広島市観光協会 酒まつり実行委員会
2012年03月26日作成年月日 |
執筆者名 |
研究領域 |
カテゴリー |
媒体(Vol.) |
備考 |
---|---|---|---|---|---|
2012年03月26日 |
(社)東広島市観光協会 酒まつり実行委員会 |
都市・コミュニティ |
地域活性化 |
情報誌CEL (Vol.100) |
ページ内にあります文章は抜粋版です。
全文をご覧いただくにはPDFをダウンロードしてください。
-まちが一体となり、地元の誇りを発信-
日本屈指の名醸地、東広島市西条。西国街道(旧山陽道)沿いの約1km圏内に9軒の酒蔵が堂々と軒を連ね、毎年10月、2日間にわたって『酒まつり』を開催している。徒歩で地酒めぐりができる地の利のよさと、日本酒にまつわる多彩なイベントが魅力で、他府県から訪れるリピーターも多い。2011年は25万人が来場し、小さなまちは人で溢れかえった。
このまつりはもともと、72年から始まった「西条酒まつり」と、79年の東広島市制5周年を機に発足した「みんなの祭り」が統合されたもので、地域に新風を吹き込むべく90年に立ち上がった。
創設時の目標は、「県外からも人を呼び、まつりを通して西条の誇りを発信すること」。そこで、先代たちが築き上げた2つのまつりの仕組みを踏襲しながらも新しいテーマを考案し、リニューアルを実践していく。
まず、地場産業の日本酒をより大きな視野で捉え、"世界に誇る日本唯一の酒"と位置づける。まつりの名称に地名を入れず、『酒まつり』と銘打つが、それは、土地を限定しないことが"日本発"という意味合いを強めると考えたからだ。さらに他地域へもアピールするため、西条の地酒にとどまらず全国から数百種類もの銘酒を集め、試飲できるイベントを企画。全国の日本酒ファンに向けた名物イベントとして打ち出した。
さらに、蔵元にもいっそうの協力を呼びかけ、酒蔵で行うイベントの数を徐々に増やすと同時に、会場を他のエリアへも広げ、大規模な屋外居酒屋やステージイベントを開催するなど、酒・食・ライブ・観光が一度に楽しめるスケール感のある構成でまつりを盛り上げる。地元の大学とタイアップして学生ボランティアを多数受け入れ、若い人材に活躍の場を与えたり、地元の小・中学生の舞台発表や幼い子どもが参加できる会場もつくった。10年目頃から来場者が20万人を超え、現在は、東広島市・東広島商工会議所・東広島青年会議所・西条酒造協会などの支援のもとに、(社)東広島市観光協会の主催事業としてまちをあげて取り組んでいる。
「様々な層が一体となってまつりを手づくりし、つながりや信頼関係を高めることが酒まつりの一番の目的。人がまちをつくりあげ、地域の力になる。まつりは市民の絆を強め、地域振興を果たす大切なコミュニケーションツールです」と語るのは、酒まつり実行委員長の村上孝治さん。