KOBE鉄人PROJECT
2012年03月26日作成年月日 |
執筆者名 |
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2012年03月26日 |
KOBE鉄人PROJECT |
都市・コミュニティ |
地域活性化 |
情報誌CEL (Vol.100) |
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-一過性のイベントからテーマ性を持った「まつり」へ-
全長18mの「鉄人28号」がそびえ立つ神戸・新長田の「鉄人広場」。神戸市出身の漫画家、横山光輝氏の代表作にちなんで平成21年9月に製作されたこの巨大モニュメントは、阪神・淡路大震災後のまちの復興と活力のシンボルだ。この鉄人と横山氏の漫画「三国志」をモチーフに新長田では、地元のNPO法人や住民、商店街、行政とが協働してまちの賑わいづくりに取り組んできた。
「計画段階では地元でも『そんなん作ってどうするねん』という声が多かったのですが、完成してがらりと変わりましたね」と話すのは、地元商店街を中心に平成18年に結成されたNPO法人「KOBE鉄人PROJECT」プロデューサーの岡田誠司さん。
震災後はハード面がハイピッチで再建された。続いて活気あるまちを取り戻そうと、地元有志が中心になって年間100回を超えるイベントを実施したが、いずれも一過性で終わっていた。そんな頃に出会ったのが「鉄人」と「三国志」だった。
「まずは鉄人のモニュメントを作ろうと突っ走りました。しかし作ってしまえばそれまで。継続性という点で、長く歴史エンターテイメントとして親しまれてきた『三国志』をテーマにした行事の企画運営に比重を置くことにしました」
地元商店街には三国志の武将たちの等身大石像や立て看板、関連施設が整備され、毎週日曜日にはスタンプラリーを開催。さらにまちぐるみで盛り上がるお祭りイベントとして平成19年から「三国志祭」を始めた。当初は来場者千人程度の規模だったが回を重ねるごとに拡大。昨年は3万5千人の来場者が訪れた。
「賑わいを継続させるにはテーマ性が不可欠。そのキーワードが『まつり』でした。そこで『○○祭』と銘打った定期イベントを次々立ち上げました」
その一つ「琉球祭」では、鉄人広場一面に沖縄料理の屋台が並び、民謡やライブに合わせて見物人が一緒に踊り出し、「道ジュネー(エイサーパレード)」がまち中を賑やかに練り歩く。三国志祭と並び、新長田の新しい秋の風物詩になりつつある。
「もともと新長田は神戸で一、二を競う繁華街。昔に戻ったみたいや、とお年寄りの方々も喜んでくれます
こうした取り組みの結果、再開発ビルへの入居率も上がり、近隣のマンションには若いファミリー層が増え、子どもたちの元気な姿も目立ってきた。