グリーンバレー
2012年11月01日作成年月日 |
執筆者名 |
研究領域 |
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2012年11月01日 |
グリーンバレー |
都市・コミュニティ |
まちづくり |
情報誌CEL (Vol.102) |
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―人とのつながりが生み出した等身大の地域創造ビジネスモデル―
徳島市街から車で約40分。徳島県のほぼ中央を流れる清流、鮎喰川の上流に神山町がある。人口約6300人、高齢化率は4
6%に達するという。昭和30年代をピークに転入者数は右肩下がりで2007年には転入者105人に対し、転出者が205人だった。しかし、2008年に転入者数が増加し始め、2011年にはついに、転入者150名に対し転出者139名と、11人の社会人口増加が起こった。
徳島県では、地上デジタル放送の開始に伴い、県内全域に光ファイバーによる高速ブロードバンド網が整備された。ネット利用者が少ないこともあり、通信速度も非常に安定しており、極めて快適なネット環境が整っている。だが、当初はそのメリットが有効活用されていなかった。
神山町に拠点を置くNPO法人「グリーンバレー」の理事長・大南信也さんは、「日本の田舎を素敵に変えよう」と神山町発展のために日々尽力されているお一人。グリーンバレーは、もともと、国内外のアーティストを町へ呼び込み、古民家を利用した滞在を
促進し、神山町を芸術の制作現場にしようという試みを進めてきた。毎年、海外から2名、国内から1名の計3名のアーティストを招き入れて、町を挙げて作品作りをバックアップしている。また、そこから着想を得て、空き家となっている古民家を貸出し、将来、町にとって必要な働き手や起業家を逆指名して、町に移り住んでもらおうという「ワーク・イン・レジデンス」という取り組みも行っていた。自分たちが主導権を持ちつつ、町に人を呼び込んでいくのである。
そこに、先述のIT環境の整備が相乗効果を産んだ。ワークライフバランスを重視する都心の会社が、豊かな自然と人との温かいつながりのなかで最先端の仕事ができる環境に目をつけて、サテライトオフィス開設の名乗りをあげた。2010年に名刺管
理クラウドサービスを提供する三三?を皮切りに、現在、IT関連や広告業などの企業、計7社。