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情報誌CEL

ITS Japan

2012年11月01日

ITS(高度道路交通システム)の防災・減災活用

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2012年11月01日

ITS Japan

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情報誌CEL (Vol.102)

ページ内にあります文章は抜粋版です。
全文をご覧いただくにはPDFをダウンロードしてください。

―プローブ情報の集約・共有化が社会的価値に―
 ITS(Intelligent Transport Systems)は、高度道路交通システムの略。最先端の情報通信や制御技術を活用して、事故防
止や渋滞解消など道路交通の最適化や自動車の利便性、環境性能向上を図るシステムの総称だ。日本では1970年代に通商産業省の主導で研究開発に着手、90年代以降は産官学民協力のプロジェクトとして、VICS(道路交通情報通信システム)やETC(自動料金収受システム)をはじめ、交通管理の最適化や公共交通の支援、商用車の効率化など幅広い分野で実用化・普及が進められてきた。このITSの民間における推進団体がITSJapanである。
 ITSの技術的主眼は、IT(情報技術)を交通システムにどのように適用・応用するかにある。近年とくに力を入れているのがITSを災害時に役立てる取り組みだという。
 東日本大震災の直後には、広域にわたって道路が寸断され、物資輸送や災害救助に向かうのにも、どの道路が通行可能なのか分からない状態が続いた。この時、被災地支援に役立ったのが、走行車両から集めた「プローブ情報」を集約してインターネットで公開した「自動車・通行実績情報」である。
 「プローブ情報」は、道路上を移動する自動車等から得た車速や位置などの情報のことである。民間各社は、それぞれに独自の方式で、データ通信機能のついたカーナビゲーションシステムを利用する会員からプローブ情報を取得している。
 「自動車・通行実績情報」は、ITS Japanが、各社のプローブ情報を集約した初めての事例だ。震災被害の甚大さを鑑みて、本来は競合関係にある本田技研工業、パイオニア、トヨタ自動車、日産自動車の4社から情報提供を受け、それらのデータを統合して公開した。
 その経緯をITS Japanの大月誠常務理事が説明する。
 「2007年の新潟県中越沖地震の際、ホンダさんが、世界で初めて『通れた道路マップ』として一般に公開しました。また、渋滞とCO2削減をテーマにした政府主導のITS活用プロジェクトでは、私どもと民間各社でプローブ情報の統合実験を行ったのですが、こうした下地があったからこそ今回の連携につながりました」

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