志波 徹
澤田 武男
作成年月日 |
執筆者名 |
研究領域 |
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備考 |
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2012年11月01日 |
志波 徹
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エネルギー・環境 |
省エネルギー |
情報誌CEL (Vol.102) |
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ガスや電気などの家庭のエネルギーは、生活が豊かになるとともに、増加してきました。電気洗濯機、電気冷蔵庫、白黒テレビが三種の神器といわれるようになった昭和30年以降、家電機器の種類が増えるとともに、普及率も上昇しました。また、都市ガスやプロパンガスを燃料とする厨房機器や風呂釜の普及も同時に進み、住宅内の利便性や快適性は大幅に向上する一方、エネルギー消費も増加してきました。家庭部門の最終エネルギー消費量は、1973年度に対し、2009年度は、2.1倍に増加しています。
それだけに、地球温暖化を抑止するために私たち生活者ができることとして、家庭内の省エネルギーは大変重要な意味を持ちます。
本講では、家庭で取り組める省エネルギーについて説明します。
―自宅のエネルギーを知る―
家庭でのエネルギー使用状況は、その家によって異なります。省エネルギーを図っていくにあたり、実態をおおまかに掴んでおくと効果が具体的に見えるので有効です。
電気、ガス、水道については、月1回(または2ヵ月に1回)の検針票で把握できますし、事業者に問い合わせをすれば、1年分程度を教えてくれます。同時に暖房用の灯油、さらには、熱量換算すると意外に大きい自動車やバイクのガソリンの消費量もわかっているとよいでしょう。このようなエネルギーの消費量を前年同月のデータと比較することにより、省エネルギー行動の結果が確認できます。
さらに、電気・ガス・水道については、1日や1時間毎などのより詳細な使用状況を表示するシステムも徐々に普及してきています。ホームエネルギーマネジメントシステム(Home Energy Management System :HEMS 〈ヘムス〉) と呼ばれるシステム(図1)です。パソコンや携帯電話、スマートフォンなどで自宅の電気・ガス・水道の使用状況がより細かくわかり、省エネアドバイスをしてくれるものもあります。表示できる内容は各システムによって異なりますので事前に確認が必要です。このようなHEMSを導入すれば、家庭内での行動とエネルギー使用量とが関係付けられるので、省エネの効果もわかりやすくなります。
このように、まず自宅のエネルギーの実態を把握し、さらに適切なアプローチでエネルギーを削減していくことで、快適性や利便性と省エネルギーを両立することが可能になります。