志波 徹
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2013年03月01日 |
志波 徹
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エネルギー・環境 |
エネルギー・ライフスタイル |
情報誌CEL (Vol.103) |
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―はじめに―
2011年3月に起こった東日本大震災から2年が経過しようとしている。原子力発電所が徐々に停止され、電力の需給は厳しい状況が続いている。そのような中、生活者も家庭で何気なく使用していた電力には様々な要因が絡んでいることに気づき、節電の取り組みを始めた人も少なくない。
一方で、エアコンの設定温度を上げて、暑い思いをした割に使用量が減らなかったり、電気のプラグをいちいち抜く行為が面倒であったりするために、省エネルギーの意識や行動に揺り戻しの動きもあるように思われる。また、省エネルギーのメニューや効果に関する情報は、生活者に十分届いているとはいえない。
そのような状況を背景に、CELでは、生活者の省エネルギーに関するライフスタイルの研究を新規に立ち上げた。本稿では、その研究の一環として実施した「生活者の省エネルギーに関する意識や行動に関する調査」の結果の一部を紹介する。
―本調査の目的―
本調査では、以下の仮説を検証する目的で、調査項目を検討した。
●省エネに取り組むべきという意識と実際の行動には、乖離があるのではないか?
●省エネ行動に取り組まない人には、それぞれの理由があるのではないか?
その中で、特に情報不足により行動しなかった人もいたのではないか?
●環境への配慮、省CO2、光熱費削減等、個人によって優先するものは異なるのではないか。
調査方法はインターネット調査で、対象は、全国の満20歳以上の男女。回収数は、2300人であった。調査時期は、2012年
12月である。
―省エネルギーの関心と行動―
まず、省エネに関する関心を尋ねた。「あなたは省エネに関心がありますか」との問いに対し、「大変関心がある」、「少し関心がある」との回答が81%と大多数を占めた。「少し関心がある」が55%と半数を占めており、それほど積極的ではないが、何かしら取り組んでいると思われるレベルの人が多い様子が窺える。
男女別で見ると、女性の方が、また年代別で見ると、高齢層の方が「関心がある」が多かった。
また、実際に、今年の夏、どのような省エネ行動をとったかを複数回答で聞いた結果は図1の通りである。「照明やテレビをこまめに消す」、「エアコンの使用を控えて扇風機を使用する」、「エアコンの設定温度を高めにする」の上位3つの項目は、いずれも半数以上の人が取り組んでおり、省エネの手法として定着しつつあると思われる。