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情報誌CEL

濱 恵介、小玉 祐一郎

2013年03月01日

連載エネルギー講座 【第4講】住まいとエネルギー

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媒体(Vol.)

備考

2013年03月01日

濱 恵介、小玉 祐一郎

エネルギー・環境
住まい・生活

省エネルギー
住宅
エネルギー・ライフスタイル

情報誌CEL (Vol.103)

ページ内にあります文章は抜粋版です。
全文をご覧いただくにはPDFをダウンロードしてください。

「住まい」という用語は、定義がやや曖昧です。「住居」とも書き基本的には住宅を意味しますが、そこで営まれる生活や情景を含めて使われる場合が多いようです。
そのような理解のもと、第4講では暮らし方を視野に入れた住宅とエネルギーの関係について、その意味、望ましい利用の形、付き合い方などを考察します。

―住まいはエネルギーの実感に最適―
部門別最終エネルギー消費の統計によれば、家庭用エネルギーの占める割合は15%弱です。しかし家庭用(住まいのエネルギー)には特別な意味があります。その大きな特徴は、産業部門や業務用と異なり、生活者が主役で、本人がエネルギーを選び、利用し、費用を負担し、評価できる立場にあることです。
例えば、企業や行政機関で環境対策に重要な役割を果たしている人でも、家に帰れば一生活者です。住まいにおけるエネルギー選択、省エネなどがきちんと実践できれば、その人が携わる業務や政策づくりにおいても正しい判断につながるでしょう。
次に、家庭は子育ての現場です。未来を負う子供・青少年たちに価値観や生活態度を植え付ける重要な場所が住まいです。エネルギーについても意識して向き合い取り扱うことで、正しい判断力や行動様式を身に付けさせることができます。
さらに、住宅を建てたり改修したりする際に、エネルギーに関する正しい知識を持っているか否かによって、その後何十年にもわたって住み心地や光熱費、そして温室効果ガスの排出量などに影響が及びます。
住宅の性能や設備だけでなく、実践される生活スタイルも含め、住まいはエネルギーを学び実感できる最高の舞台なのです。

―断熱は健康・快適・省エネの一石三鳥―
住宅づくりにおけるエネルギー対策には、さまざまなアプローチがあります。設備については他稿に譲るとして、ここでは機械力に頼らない工夫で居心地を確保する方法(パッシブデザイン)を考えます。その中で最も重要な「断熱」と「日射遮蔽」について見てみましょう。
住宅を含め全ての建築は外部の厳しい気温条件からわれわれ自身の体を守ることを大きな目的としていますから、熱の損失と不要な流入を防ぐことは住宅が備えるべき性能の基本です。
気密性の確保を前提として、高い断熱性能は暖房用のエネルギー消費を減らすばかりか、日常の快適性や健康性など居心地が良く安全な住まいづくりのための必須要件です。例えば、断熱性に優れた住宅では各部の温度差が少なくなり、足元が冷える不快感が抑えられ、夜間の暖房停止時にも室温低下が少なく脳卒中など低温による健康リスクが避けられます。したがって、断熱の効用はエネルギー消費量や暖房費の節減だけで評価すべきではありません。

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