CEL編集室
2013年11月01日作成年月日 |
執筆者名 |
研究領域 |
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媒体(Vol.) |
備考 |
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2013年11月01日 |
CEL編集室 |
住まい・生活 |
ライフスタイル |
情報誌CEL (Vol.105) |
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まちでスローな暮らしを営むために、日本らしくスローをまちにとり入れるために、人はなにを意識したらよいのか。
まずは日常に目を向けてみよう。ライフスタイルのなかにもその要素が隠れていないだろうか。
keyword 1 交わる(Interact)
keyword 2 緩む(Relax)
keyword 3 育てる(Raise)
keyword 4 伝える(Tell)
keyword 5 受け入れる(Receive)
keyword 6 憩う(Rest)
keyword 7 心づかう(Concern)
keyword 8 歩く(Walk)
keyword 9 自立する(Independent)
keyword10 寄り添う(Care)
効率重視、スピード重視の生活は、ふと気づくと息苦しさを覚えるものだ。
まちの姿もまた然り。ゆったり、ゆっくりと過ごせるまちに憧れは持つが、まちの機能は維持していかなければならない。多少は便利な要素も欲しい……。こうした矛盾する希望を持つ現代人は、なかなか欲張りである。
世界には、「スロー」をはっきりと意識してライフスタイルやまちづくりにとり入れようとする動きがある。1986年、スローフードという言葉がイタリアで生まれ、その思想が拡張されてスローライフ運動となり、やがてまちづくりへも応用されてスローシティ運動が誕生した。
日本でも、それぞれのまちには、それぞれのまちに合ったスローのとり入れかたがあるはずだ。さらに、スローさと機能性を両立させたいという、現代人の矛盾した願いをかなえるには、どうしたらよいのだろうか。
今回、こうした背景をもとに、「まちにスローをとり入れる」という趣旨で特集を組んだ。特集内では、さまざまな実例取材や識者の論考から、まちがそれぞれの持つ特徴に合わせた独自のスローさを獲得するためには何が必要なのか、どんな形でまちにとり入れるのか、検証を行いたい。また、それらを通じて、私たちが、今までとは異なる「生活の豊かさ」に気づくきっかけや実践につながることを期待しているのである。
ここでは、特集の冒頭にあたり、こうした検証からCELが見出した、まちにスローをとり入れるための10の要素をとりあげてみた。人がまちで、よりスローな暮らしを営むためのキーワードであり、10の「行動」である。これらのいくつかを、まるでブロックのように組み合わせていくことで、日本的なスローのとり入れかたを獲得するための、何らかの道すじが見えてこないだろうか。