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情報誌CEL

福原 宏幸

2014年03月03日

社会的排除/包摂と「社会的なもの(ル・ソシアル)」

作成年月日

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媒体(Vol.)

備考

2014年03月03日

福原 宏幸

住まい・生活
都市・コミュニティ

その他
地域ガバナンス
都市システム・構造

情報誌CEL (Vol.106)

ページ内にあります文章は抜粋版です。
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福祉の文脈からソーシャルを考える

1990年代後半以降、日本では、経済的格差の拡大や生活保護受給者の増加などの問題が深刻化するとともに、新たな社会問題が登場してきた。それらは、長期失業、不安定雇用、ホームレス、ひきこもり、母子世帯の生活苦、子どもの貧困、高齢単身世帯の社会的孤立、精神疾患、自殺問題などであった。このような状況を背景に、2000年に入って以降、「社会的排除」そして対となる「社会的包摂」という用語が、社会問題にかかわる研究者や活動家によって頻繁に使われるようになった。もちろん、これは、「社会とのつながりの希薄さ」や「社会保障などの公的支援制度から漏れ落ちていること」など、現代の社会問題の全体的な特徴が、この用語によって理解できるようになったからであり、ここに新しい社会問題を発見したからであった。社会的排除/包摂の概念や定義については、すでにいくつかの研究によって、明らかにされてきた(*1)。しかし、この社会的排除に立ち向かう包摂政策については、まだまだ検討すべき課題がある。一つは、どのような政策理念のもとに、この問題に取り組むのかという点である。これは、「社会的なもの」(英語ではザ・ソーシャルthe social、フランス語ではル・ソシアルle social)にかかわるものである(*2)。もう一つの課題は、これと関連して、排除されている人々を社会の主流に向けてどのような手法によって包摂していくのかという点である。
以下では、社会的排除という用語が最初に使われたフランスに注目し、これらの課題について検討していこう。また、それを踏まえて、日本における社会的排除/包摂の在り方についても触れていきたい。

(*1)たとえば、『社会的排除/包摂と社会政策』(福原宏幸編著、2007年、法律文化社)や、『社会的排除―参加の欠如・不確かな帰属』(岩田正美著、2008年、有斐閣)などがある。
(*2)『社会』(市野川容孝著、2006年、岩波書店)、『社会思想史研究』34号(社会思想史学会編、2010年、藤原書店、「特集 〈社会的なもの〉の概念 再考」)、『社会的なもののために』(市野川容孝、宇城輝人編、2013年、ナカニシヤ出版)がある。

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