荒舩 良孝
2014年07月01日作成年月日 |
執筆者名 |
研究領域 |
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備考 |
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2014年07月01日 |
荒舩 良孝 |
エネルギー・環境 |
再生可能エネルギー |
情報誌CEL (Vol.107) |
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資源やエネルギーの乏しい日本にとって、資源やエネルギーの確保は重要な課題だ。その重要な課題を解決する手立てが海にあるという。海にはどれくらいの資源があり、私たちはそれを活用していけるのか。その現状を追った。
資源価格の高騰で存在感の増す海洋資源
日本の国土は世界中の陸地の中でたった0.28%しかない小さな島国だ。
その狭い国土には、エネルギーや鉱物資源がほとんどない。日本は世界有数の工業国ではあるが、エネルギー源や原料となる資源はほとんど輸入に頼っている。日本は資源保有国と共同で鉱山や油田、ガス田などの探査や開発をして、必要な資源を確保するようにしている。しかし、ここ最近、資源保有国自身が自国の資源に対する権利を強化する資源ナショナリズムの動きが目立つようになってきた。
日本は資源を安定して手に入れられるように、資源保有国との関係を強化するようにしているが、さらに日本独自の資源を開発することが重要になってきている。そこで注目されているのが海洋に眠る資源だ。水深200mより深い深海底には、様々な鉱物資源が存在する。海洋の鉱物資源は1960年代からその存在が知られていた。だが、海底の鉱物資源は陸地にある資源よりも採取が難しく、コストもかかる。そのため、実際に採掘して活用されることはなかった。
しかし、2000年代に入ると状況が一変する。中国をはじめ新興国の台頭によって、金属資源などの消費量が急激に増加し、価格も高騰してしまった。資源価格の急激な上昇により、生産コストの高い海洋資源でも、経済的に成り立つ可能性が大きくなり、多くの国があいついで開発に乗り出すようになった。
日本は国土が狭いものの、天然資源などの探査や開発をおこなう権利を与えられる排他的経済水域と領海の面積は約448万?と、世界第6位の広さを誇っている。さらに、日本が申請していた大陸棚の延長も一部が認められ、資源開発ができる海域が広がっている。