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情報誌CEL

吾妻 行雄、原島 省、加賀城俊正

2014年07月01日

鼎談 「つながり」が育む海の持続可能性

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2014年07月01日

吾妻 行雄、原島 省、加賀城俊正

エネルギー・環境
住まい・生活

地域環境
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情報誌CEL (Vol.107)

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われわれにさまざまな恵みをもたらしてくれる海だが、拡大しつづける人間活動の影響で、今未曾有の危機に瀕している。さらに、日本人の間では、深刻な「海離れ」も進む。それぞれの専門分野で海の危機に向き合ってきた吾妻行雄氏と原島省氏、そしてCEL所長代理の加賀城俊正が語り合う、海の持続可能な利用のためにこれから必要なこと。

世界中で減少している藻場

加賀城:海は、私たちの生活や生態系、あるいは地球環境への恵みをもたらしてくれるわけですが、人の活動に起因する異変も起きているようです。そこでまずは、海で何が起きているのかをお聞きできればと思います。赤潮、青潮、海藻の群落が喪失する「磯焼け」、サンゴ礁・砂浜・干潟の喪失、温暖化の影響などさまざまな問題がありますが、そのなかでも先生がたが注目されている問題からうかがえますか。

吾妻:私は波打ち際から水深30メートルくらいまでの、海底が岩でできている「沿岸岩礁域」と呼ばれる場所を研究対象にしています。沿岸岩礁域には、陸上と同じように、森林もあるし、平原もあるし、草原もあります。森林は大型の褐藻類という、コンブとホンダワラの仲間などからなります。海中林の大きな特色は、生産力がとても高いことです。陸上の植物と同じように、光合成で水と二酸化炭素からでんぷんなどの有機物を作るんですが、陸上で最も生産力が高いと言われる熱帯雨林に匹敵する、あるいはそれをしのぐと言われています。海中林は、稚魚の棲場、えさ場、隠れ場、さらには、動物が産卵する場所も提供しています。

原島:いろいろな生物の生活を支える重要な役割を担っているわけですね。

吾妻:ところが近年、何が起きているか。2013年のIPCCの報告にも書いてありますが、地球温暖化によって海洋も温暖化しています。21世紀の末までに、海の表層から水深100メートルくらいまでの水温は、最大で2℃ほど上がると推定されているんですね。もうひとつの問題は、海水の酸性化です。空気中の増加した二酸化炭素が海に溶けて、海水のpHが0.3下がる。今のpHが8.2くらいですから、7.9くらいになってしまう。

加賀城:それによって吾妻先生が研究されている沿岸域では、どういったことが起こっているんでしょうか。

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