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情報誌CEL

畑中 三応子

2014年11月01日

食の情報とうまく付き合っていくために

作成年月日

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媒体(Vol.)

備考

2014年11月01日

畑中 三応子

住まい・生活

食生活
消費生活
ライフスタイル

情報誌CEL (Vol.108)

ページ内にあります文章は抜粋版です。
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健康や美容という付加価値が食に求められるようになって久しい。トクホからダイエット食品まで、食情報の氾濫が日常化した今日、情報に踊らされないためには、どうすればよいのだろうか。健康食ブームの作られ方を検証し、考察する。

食品の機能性表示解禁が、間近に迫ってきた。「サラサラな明日へ」とか「スッキリを求めるあなたに」というように、曖昧な表現しかできなかった体にいい食べ物が「企業の自己責任」のもと、体のどこにどうよいか、具体的に表示できるようになる。
消費者庁が7月に新制度の概要を公表した。思った以上の規制緩和である。現行で機能性表示が許可されている「栄養機能食品」と「特定保健用食品(トクホ)」に続く3番目の制度となる。
12種類のビタミンと5種類のミネラルに限り、含有する栄養成分の働きのみ表示できる栄養機能食品、「脂肪を消費しやすくします」など、堂々と効果をうたえるものの、体の特定部位への言及は原則的に認められないトクホに対し、新制度では医薬品だけに許されていた「胃腸の調子を整えます」や「免疫機能を強化」といった、より明確な表示が可能になる。個別に国の審査を必要とするトクホとは違い、企業は発売前に科学的根拠を含む商品情報を届け出るだけでよく、審査はない。
法律上の定義がない「いわゆる健康食品」には、万能・絶大な効果を期待させる思わせぶりな誇大宣伝が横行している。有効性や安全性、品質に関しては野放し状態のため、医薬品成分を含む製品も多く、健康被害の温床でもある。しかし、新制度は安倍政権の成長戦略の一環として、消費者保護より健康食品市場の拡大を優先して持ち出された。取得までに時間と費用がかかるトクホのハードルをぐっと下げた、企業にやさしい制度である。効果がわかりやすくなるのはよいとしても、安全性と有効性は企業まかせでどこまで保証されるのか。しかも、新制度の対象は錠剤やカプセル形のサプリメントだけでなく、加工食品、生鮮食品などの食品全般に広げられるのである。実施は来春の予定。それでなくても氾濫する食べ物の健康情報を見極める力が、ますます求められる。

健康、美容、ダイエット ― 食に付加価値を求める時代


日本の食の流行現象を調べると、年代を追うにつれ「体にいい」という付加価値が力を持ってきたことがわかる。
とくに2000年代以降は、ブームになった食べ物のかなりの割合が、健康、美容、ダイエットがらみ。フードファディズムに類する事例も多かった。

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