佐藤 康一郎
2014年11月01日作成年月日 |
執筆者名 |
研究領域 |
カテゴリー |
媒体(Vol.) |
備考 |
---|---|---|---|---|---|
2014年11月01日 |
佐藤 康一郎 |
住まい・生活 |
食生活 |
情報誌CEL (Vol.108) |
ページ内にあります文章は抜粋版です。
全文をご覧いただくにはPDFをダウンロードしてください。
いつ、どこで、誰と、何を食べているか。大学生に向けて行われた食調査報告があぶり出す、日本の食風景の驚くべき変貌ぶりとは。
2006年頃、ふだん学生と接する中で食生活の変化やコンビニエンス・ストアの利用について、漠然とした興味を持ち始めた。そして、2007年7月にいくつかの仮説を立て、「若者による食品の消費動向の把握」と「食生活に関する若者の意識調査」を目的に写真分析法で「学生が何を食べているのか」について専修大学の学生20人(自宅通学の男性5人、自宅通学の女性5人、自宅外通学の男性5人、自宅外通学の女性5人)を対象に調査した。
その結果、1.朝食の欠食率が高いこと、2.規則正しい食生活によって自己管理をしている学生は非常に少ないこと、3.家族との生活時間が違うこと(自宅通学生でも一家団欒の時間は減少)、4.品数の多い食事を作る家庭が少ないこと、5.食事の組み合わせがユニークなこと(ご飯とパン、ご飯と清涼飲料水といった組み合わせ)などが明らかになった。
同時期に調査対象の学生にヒアリングを行ったところ、大学生の食生活の変化は、家庭生活だけに起因する問題ではなく、彼らのライフスタイル全体(大学の履修システムやアルバイト、就職活動など)もまた大きな影響要因となっていることがわかった。
2009年7月にも同様の調査を実施したが、本年(2014年)7月は、自宅外通学の学生に焦点を当て20名を調査対象とした。実際の専修大学学生の男女比を考慮し、各学年男性3名、女性2名(合計20名)を公募し、2014年7月10日0時から16日24時の7日間行った。
この間、スマートフォンやデジタルカメラで口にしたあらゆるものを撮影し、あわせて補助記録をする形式で食生活調査を実施した。まだデータを整理している最中だが、その一部をご紹介したい。
過去の調査から、朝は十分に時間が取れないので何も口にしない学生や、朝に何も食べなくても気にならない学生が相当な割合で存在することがわかっている。また、「料理を作るのが面倒」、「食事メニューのバランスは気にしていない」、「(高校までのように)親と同居していた時には、しっかりとした食事をしていたのに、大学生になってからダメになってしまった」、「(学年が)上になるにつれてどんどんひどくなってしまった」という意見も得ている。