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情報誌CEL

高田 光雄、木全 吉彦、加茂 みどり

2015年03月02日

【鼎談】人と住まいとの関わりを考える

作成年月日

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媒体(Vol.)

備考

2015年03月02日

高田 光雄、木全 吉彦、加茂 みどり

住まい・生活

住生活
ライフスタイル
住宅

情報誌CEL (Vol.109)

ページ内にあります文章は抜粋版です。
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人と住まいの関わりをひもとく4つのキーワード


木全:高田先生がこれまで手がけてこられたプロジェクトでは、人と住まいとの関わりという観点から掘り下げておられるように思います。その辺りからお聞かせいただけますか。


高田:はじめにいくつかのキーワードをあげてみますと、まず、住まいについて語る際、よく使われる言葉に「住みごこち」があります。
住みごこちとは住宅の手段的価値、例えば住宅性能の良さで獲得される価値です。これは住まい手が受け身で得る価値といえるかと思います。しかし、住みごこちがいい=性能の良い住宅を得ることができれば人は幸せになれるのかと考えたとき、必ずしもそうではないことに気づきます。私は、住まい手と住まいが双方向に関わって新しい価値を発見していくことに真の豊かさがあるのでは、と考えています。


木全:双方向に関わって発見する新しい価値、ですか。それはどのようなものでしょう。


高田:住まいづくりや手入れに住まい手が深く関わった住まいは、客観的性能はそれほど高くなくても、満足度が高いことがあります。それを私は住みごこちに対し、「住みごたえ」と呼んできました。住まいから住まい手への一方通行のサービスだけでは、たぶんどこかで満足の限界がくるんですね。住まい手と住まいが双方向に働きかけあうことで新たな価値が生まれるのです。


加茂:現在、若い世代を中心にセルフリノベーション、シェアハウスという流れがありますが、その源流は高田先生のおっしゃる住みごたえにあるのではないかと思っています。


高田:さまざまな事例を通し、住みごたえという仮説には手ごたえを感じていますが、同じ住まい手が住みごこちと住みごたえを継続的に高めていく「住みこなし」もキーワードになります。現在、それに「住み継ぎ」というキーワードも付け加えています。既存の住まいで、住まい手が変わっても、住みごこちと住みごたえを継承し、価値ある住まいや暮らしを実現するのが住み継ぎです。


木全:4つのキーワードを提示していただきました。順にご説明いただければと思います。


1970年代後半に大きく変化した日本の住意識


木全:まず、先ほど「住宅の性能」というお話がありましたが、そういった概念はいつ頃から出てきたのでしょうか。

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