三浦 展
2015年03月02日作成年月日 |
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2015年03月02日 |
三浦 展 |
住まい・生活 |
住生活 |
情報誌CEL (Vol.109) |
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人口の減少と単独世帯の増加が進み、「ニッポンの住まい」が変わりつつあるいま、私たちは、どのような家に住み、その住まいはどのような姿をとっているのだろうか。
各種データの分析をもとに、現在の日本の住まいの状況をとらえ、未来の「居ごこちのよい住まい」を考察する。
増え続ける単独世帯と空き家
我が国の人口はすでに減少しはじめており、国立社会保障・人口問題研究所によれば2050年には1億人を切り、世帯数も2020年をピークに減りはじめ、20年から35年にかけて350万世帯ほどの減少になると推計されている。
世帯で減少するのは主に夫婦と子の世帯であり、すでにピーク時の1985年の1519万世帯から2010年は1447万世帯に減っているが、これが2035年には1153万世帯にまで減少する。
それに対して夫婦のみ世帯は、2010年の1027万世帯が35年には1050万世帯と、ほぼ横ばいである。また単独世帯は1679万世帯から1846万世帯に増加する。つまり、2035年には、夫婦と子の世帯よりも700万世帯近く多くなるのである。
問題なのは高齢化だ。65歳以上の単独世帯は2010年の498万世帯から35年は762万世帯に増える。第二次ベビーブーム世代が60代になるからである。80歳以上の単独世帯だけでも157万世帯から343万世帯に増える。夫婦のみ世帯も103万世帯から230万世帯に増える。
ところが、すでに現在も多く見られるように、高齢者が夫婦で、あるいは一人で大きな持ち家に住んでいる。2008年の住宅・土地統計調査によると、夫婦のみ世帯で持ち家の世帯は736万世帯であるが、うち432万世帯の世帯主は65歳以上である。同様に単独世帯は482万世帯が持ち家で、うち268万世帯の世帯主が65歳以上である。
また、65歳以上の夫婦のみ世帯(いずれかが65歳以上または夫婦とも65歳以上)440万世帯のうち、「部屋数5室以上に住む」世帯は334万世帯である。そして単独世帯268万世帯のうち、「部屋数5室以上に住む」世帯は169万世帯、3〜4室に住む世帯は87万世帯である。3室以上を合計すると256万世帯である。
このように、子どもが独立したなどの理由から、夫婦だけで5室以上、単独世帯で3室以上に住む世帯が大量にいる。