CEL編集室
2015年07月01日作成年月日 |
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2015年07月01日 |
CEL編集室 |
住まい・生活 |
ライフスタイル |
情報誌CEL (Vol.110) |
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新潟県 十日町市
地方創生でうたわれている若者の地域移住。若者は幸せの面で仕事や暮らしに何を求め地域に移住するのだろうか。成功している地域には、どんな魅力があるのか。地域移住とそれを支える現場に取材した。
東京・渋谷に拠点を構えるETIC.(Entrepreneurial Training for Innovative Communities.)は、能動的に社会に働きかけ自ら仕事の現場を創出できるような起業型リーダーを支援するNPO法人だ。近年は、全国各地のNPOや企業、自治体、財団、高等教育機関などと連携し、地域の担い手を育てるプラットフォームづくりを行う。
ETIC.が各地のパートナー団体を組織して主催する「日本全国! 地域仕掛け人市」は2015年2月に7回目を数え、東京の若手社会人に地域でのチャレンジ機会を紹介するイベントとして活況を呈している。また、仕事を持つ社会人が休暇を使い2泊3日程度で地域活動に参加し、成果をチームで議論・検証し合うフィールドワークや、大学生を一定期間地域に送り込み実地体験を積ませるインターンシップなど、地域移住への足がかりとなるプログラムを多数用意。これまでに数多くの「卒業生」が多様な業種形態で起業し、地域の企業に就職し、また就農するなどして頼もしく巣立っている。
長谷川奈月さんは、これらのプログラムを運営するチャレンジ・コミュニティ・プロジェクト事務局のコーディネーターだ。若者たちは、どんな動機を持って参加しているのだろうか。
「今の自分の働き方に疑問を感じている人、地元や地元近くに帰りたいと思っている人、旅で訪れたまちが気に入って、その地域で何かをしてみたいと考える人でしょうか」
地域に移住を希望する人の多くは20〜30歳代だが、主に都会で暮らす彼らが現在の仕事を辞め地方に移住することは、想像以上の一大事。ただやみくもに煽って移住させるだけではうまくいかないので、よく考え一歩一歩慎重に移住を進められるようなプログラムづくりを心がける。
例えばフィールドワークなら全国に用意された8〜10カ所のうちから選んで赴いてもらうが、そこで地方で仕事をするというのはどういう感覚なのか、コミュニティをつくるとはどんなことなのか、自分は本当に東京を離れて暮らせるのかを問い直してもらう。結果、実にフィールドワーク体験者の15%がその後移住を果たしている。実際に地域暮らしを体験した若者たちは、どんなところに幸福感を感じているのか。