高間 邦男
2019年07月01日作成年月日 |
執筆者名 |
研究領域 |
カテゴリー |
媒体(Vol.) |
備考 |
---|---|---|---|---|---|
2019年07月01日 |
高間 邦男 |
都市・コミュニティ |
コミュニティ・デザイン |
情報誌CEL (Vol.122) |
ページ内にあります文章は抜粋版です。
全文をご覧いただくにはPDFをダウンロードしてください。
人生100年時代がさけばれ、今後も就業年齢が延びていくと予想されるなか、企業人には自らのキャリアのピークをくりかえし構想、自己のスキルや知識を再点検し、働きながら自主・自律的な"学び直し"を行うことが避けられなくなっている。
ビジネスパーソンが生涯にわたって社内外との接点を持ち、人生を充実させるには、何を、いつ、どのようにして学べばいいのか?
よき学びを実現するうえで重要なポイント、基本的なスキームについて俯瞰してみたい。
人生100年時代に求められる
新しい働き方
2016年にリンダ・グラットン著の『LIFESHIFT――100年時代の人生戦略』(東洋経済新報社) がベストセラーになってから、人生100年時代という言葉がよく聞かれるようになった。
確かに、日本で100歳以上の人は、18年9月で6万9785人いる。最近では100歳以上の人が珍しくなくなってきた。
シニアが3人集まったら、そのうち1人は90歳以上まで生きる時代なのである。それは大変めでたい話ではあるが、「長生きリスク」という漠然とした不安を感じる人も多いだろう。
その不安の大きな要因は、老後の生活資金だ。
老後の1カ月の平均的な世帯の生活費は60歳代の世帯でおよそ30万円、70歳以上でおよそ22万円といわれる。65歳の人が95歳まで生きると仮定して、その30年間の生活費を単純に合計すると8400万円になる。大変な金額だが、公的年金の加入者の約6割を占めている厚生年金加入者は、質素に暮らせばその生活費のかなりの部分は年金でカバーできるだろう。しかし、多少の余裕がある生活を送ろうと思うと十分とは言えない。
そこで老後に備えて、動けるうちは働いて老後の資金を貯めようと考えるシニアが増えている。年金支給の財源に苦慮する政府としても、人生が長くなった個人としても、今までよりも10年か20年長く働くというニーズは一致している。
実際に、総務省の18年の「労働力調査」によると、労働力人口のうち65歳以上が占める割合は12.9%になった。さらに年齢別にみると、65歳から69歳の人のうち、46.6%の人が就業しており、70歳から74歳でも30.2%、75歳以上でも9.8%が就業している。65歳を過ぎても、まだ働き続ける時代がきたといえよう。