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CEL編集室

2019年07月01日

「思い込み」が生む断絶を越えて−第1回「高齢社会2030を考える会」報告

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2019年07月01日

CEL編集室

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情報誌CEL (Vol.122)

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人類がいまだかつて経験したことのない超高齢社会。
その問題が顕在化する「2030年」の姿を具体的にイメージし、今、取り組まなければならないことを一緒に考えませんか――。
そんな呼びかけから立ち上げられたのが、大阪ガス(株)エネルギー・文化研究所が主催する、「高齢社会2030を考える会」である。記念すべき第1回は2019年2月1日、「世代間交流の意義」をテーマに、参加者と講師が向き合って活発な議論が行われた。


「高齢者が増える社会」を考える

冒頭、遠座俊明研究員より議論の前提となる「2030年の予測データ」が紹介された。人口構成の変化、家族・世帯の変化、高齢化の進展に伴う経済格差の拡大など具体的な公的データを提示しながら、それらを支える社会保障受給額の増大に伴い公助・共助制度が将来厳しくなるとの見解を示した。
提示される数字はいずれも「わずか10年余の後にここまで変化するのか」という思いを強くするものだった。たとえば家族・世帯の変化について、二人以下世帯が過半を占める現在よりさらに進み、2030年には単身世帯割合が全世帯の38%近くになるという。1958年頃は5人以上の家族世帯が約半数を占めたことから考えると、急速な変化である。
そのうえで、今後地域における互助の仕組みの再構築の必要性を示し、これからの社会は人と人との関係性に着目し、生きる力・活かす力(エネルギー)とそれを引き出す知恵(文化)について考えていくことが重要と話した。
続いて、日本世代間交流学会理事・兵庫県立大学教授内田勇人氏による講演「人とまちのウェルビーイング 地域の再起動に向けて」では、世代間交流はかつて祭などを通して自然に起こったが、今は仕掛けないと生じない時代となっていると説明。アメリカでの世代間交流施策の実例、それをもとに日本の小学校で行った高齢者との交流活動の成果についてふれ、世代間交流プログラムの開発の重要性を示した。
次に、池永寛明大阪ガス(株)エネルギー・文化研究所所長(当時)が登壇、まず「高齢社会とは何か」という演題の視座として「高齢者のための議論ではなく、高齢者がこれまでより増える社会がどうなるのか、何をなすべきかを考えるのが重要」と話した。

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