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情報誌CEL

川中 大輔
新川 達郎

2019年11月01日

コミュニティ・デザイン新論−「包摂か排除か」を越えて

作成年月日

執筆者名

研究領域

カテゴリー

媒体(Vol.)

備考

2019年11月01日

川中 大輔
新川 達郎

都市・コミュニティ
住まい・生活

コミュニティ・デザイン
地域活性化
ライフスタイル

情報誌CEL (Vol.123)

ページ内にあります文章は抜粋版です。
全文をご覧いただくにはPDFをダウンロードしてください。

かつての経済成長を支えてきた中産階級の基盤が崩れ、流動化する日本社会。
その構造的な変化はまた、世代間・階層間の分断や格差拡大を加速させつつある。
課題を乗り越えていくために寛容性を高め、異質な「よそ者」たちを受け入れて混じり合い、新たな価値を生み出せる、そんな真に建設的なコミュニティの形は考え得るのか?
同志社大学とCELの教育研究協力協定による「コミュニティ・デザイン論研究」講座で、講師を務められるおふたりとの対話を通じて、その糸口を探り、掘り下げていく――。


21世紀に入りいよいよ加速度的に進む社会構造の変化とともに、さまざまな面で不適合を起こしつつある日本の社会システム。そんななか、コミュニティを通じた問題解決にあらためて注目が集まり、とりわけコミュニティにとっての「よそ者」の関与が何らかの変化をもたらすのではないか、との期待が少なくない。
が、そこではまずコミュニティの側、「よそ者」の側双方が、自他を取り巻く構造的な問題への批判的なまなざしをもつ必要がある。安直で相互依存的な関わりだけでは、さらなる分裂と排除、混乱を招きかねないからだ。あらゆる集団には、常に包摂性と排他性の双方向の力が働いているのであり、その点を無視したのでは真に建設的なコミュニティ・デザインはおぼつかないだろう。
異質な者を受け入れ、「よそ者」と混じり合いながら新たな価値観を生み出すことのできるローカルな社会は、はたしてつくり出せるのか?
1950年と80年生まれ、世代もアプローチもまったく違うが、コミュニティというものが本質的にもっている正負の側面を考察し、あるべき「コミュニティ・デザインの形」を問い続けているおふたりに話を伺った。


原点としての「コミュニティ体験」

――新川先生は長年、地方自治や行政学、公共政策論といった分野の研究をされてきましたが、早くからソーシャル・イノベーションや協働型ガバナンスといったものの役割に注目、その重要性を指摘されていました。いわば、現在のコミュニティ・デザインを先取りされていたように思うのですが、そうした認識の背景には何があり、どのようなコミュニティ体験がもとになっているのでしょうか?

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