池永 寛明
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2020年03月01日 |
池永 寛明
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都市・コミュニティ |
コミュニティ・デザイン |
情報誌CEL (Vol.124) |
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私たちが考える万博
第3回 新「万博時代」をどうつくるか
大阪・関西万博開催まであと5年。新しい万博の時代を迎える私たちは、どのような未来を描くことができるだろうか。池永寛明大阪ガス(株)エネルギー・文化研究所(CEL)顧問と共に、大阪・関西万博をテーマにしたイベントなどを通じて、考察を重ねていく。今回は、大阪・関西万博をテーマにした「上町台地 今昔フォーラム」に対する池永氏の所感と、イベントのレポートをお届けする。
「上町台地 今昔フォーラム」で得られた成果
「私たちが考える万博」連載第1回では、これまで大阪で行われた博覧会の背景を考察し、万博が都市・産業戦略の一環として開催されてきたことを明らかにしました。
第2回は「大阪・関西万博2025に盛りこみたいもの」として、史上No.1の万博「超万博」に向けた五つの考え方を提示し、一過性イベントに終わらせない、次世代に夢と力を与える万博を目指そうという願いも掲げました。
これらを踏まえ今後、「どう行動していくのか」を考えていくことになりますが、今回は昨年CELが催した「上町台地 今昔フォーラム」関連イベントの報告を交えてお話ししたいと思います。
フォーラムは「映像&トーク 1900年パリ万博から、大阪・関西万博後の百年へ上町台地を視点場に、都市と博覧会の世紀をレビューする」と題し、都市と博覧会を再定義し、未来へとつなぐ試みの場となることを目的に開かれました。
プログラムは3幕構成。第1幕では、CELの弘本由香里研究員が映像資料を駆使し、1900年のパリ万博、さらにその後の1903年第5回内国勧業博覧会から1925年の大大阪記念博覧会を経て1948年の復興大博覧会へと続いた、近代都市の形成と戦災と復興の歩みをレビューしました。
第2幕は、古川武志大阪市史料調査会調査員に登壇いただき、大阪で開かれた博覧会が持つ意味や、それと都市がどのように向き合ってきたかについてお話しいただきました。
続く第3幕では、私と古川氏、そして大阪大学大学院博士課程の学生である山蔦栄太郎氏の3人で鼎談を行いました。山蔦氏は機械工学分野のバイオ応用研究を行う学生であると同時に、ナレッジキャピタルで立ち上げている「大阪・関西万博会議〜ワイガヤサロン〜」のメンバーでもあり、かつ70年万博を経験していない若い世代の代表としても登壇していただきました。当日は3人のトークだけでなく、会場からも興味深い意見が多く飛び出しました。