金澤 成子
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2020年11月01日 |
金澤 成子
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都市・コミュニティ |
コミュニティ・デザイン |
情報誌CEL (Vol.126) |
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TVドラマ『半沢直樹』最終回は、前作の42.2%に次ぐ、32.7%。令和最高視聴率の快挙を成し遂げました。前作との違いは、コロナ禍で世の中が「3密」を避けるなか、ドラマ自体が視聴者とのSNSを通じての「精神的な密」で成長し続けたということです。その結果、主人公の半沢が社会人の抱えるフラストレーションを代弁し、最終回の「1000倍返し!」に繋がったのではないでしょうか。
官民ともに、コロナ禍の危機を乗り越えるべく、新しい当たり前をビルトインした新たな都市のかたちを創造していく必要があります。そのためにも、まずは自らがレジリエンス(変化に柔軟に適応する力)の高い組織体にトランスフォーメーションしなければなりません。
今号では、デジタル化に先行して挑戦してきた現場の事例を紹介しながら、持続可能な経済復興を目指すために、何が必要なのかを考察しました。オンラインとオフラインの境界がなくなるアフターデジタル時代の到来で、これまでの都市のあり方そのものが根底から覆されました。ただし、その新しい都市も、デジタル技術を活用して、地域それぞれの強みや文化・歴史といったコアな魅力を再発見・伝承し、生活者をパートナーに、日本独自の新たな世界観をアップデートしていくことが重要です。
コロナ禍にあっても、企業は、既成概念を取り払い、多様化する生活者の視点で、問題の本質を見抜き、差別化されたブランド力や独自性を発揮して、新たな価値を創造していく必要があります。今号からスタートした「未来ブラリ」は、「女の欲望ラボ」と共同で、生活者の視点から少し先の未来を発見する企画です。コロナ禍の環境の変化を、悲観することなく、前向きに楽しむ女性の姿が印象的で、そこには、たくさんの新たな価値創造に繋がるヒントがあります。
「誇らしい日本」を次世代に繋ぐために、企業は変化に柔軟に適応し、生活者と共に持続可能な都市のかたちを創造し続けなければなりません。それこそが先駆者たちへの恩返し、そしてコロナ禍に「1000 倍返し!」することなのではないかと思います。