鈴木 隆
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2021年11月01日 |
鈴木 隆
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住まい・生活 |
ライフスタイル |
情報誌CEL (Vol.129) |
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大阪ガス(株)エネルギー・文化研究所(CEL)では、2021年度から、テーマごとに、研究員の研究報告を動画で配信するとともに、外部講師による講演と参加者も交えたトークセッションを行う「CELサロン」を開催している。その第1回「どうすれば組織とともに成長できるか」について報告する。
なぜ組織とともに成長なのか
いまや広く知られるようになったSDGs(持続可能な開発目標)。その8番目の目標が「働きがいも経済成長も」である。Daigasグループ企業行動憲章も、「人間成長を目指した企業経営」を掲げる。組織とともに成長することは、国際的にもDaigasグループでも重要な課題となっている。
本誌120号の特集「外に学び、つくり直す[アジア編]」で、中国・深圳のスタートアップ企業ドゥボット社を2018年に取材したときの衝撃が、今回の問いの背景にある。海外セールスを統括するグレース・ガオさんに「仕事は楽しいですか」と訊いたところ、「もちろんです。なぜ、そんな質問をするのですか」と訊き返されてしまったのである。
振り返ってみると、筆者自身が最も成長を実感したのも、「ホームプロ」を2001年に起業してからの10年間であった。国内初・利用実績No.1の住宅リフォーム仲介サイトとなり、20年間で累計80万人が利用し、2200億円を仲介するまでになった。決して順風満帆だったわけではない。いきなり集客で苦戦し、2006年にリクルートグループ入りするなど、紆余曲折を含め成長を実感したのである。
こうした起業経験を踏まえ、CELではマーケティング、イノベーションについて実践と理論をつなぐ研究をし、3冊の本[*1]にまとめ世に問うた。実際には、実践する人と組織によっても、成果は大きく違ってくる。そこで、組織行動(組織の中の人間行動)の研究にも着手し、「どうすれば組織とともに成長できるか」について検討してきた。今回は、その概要について報告する。
成長のための8つのポイント
組織とともに成長するには、8つのポイントがある。これまでよく行われてきたとりくみ(A)でうまくいかない場合には、これまでとは違うとりくみ(B)をとりいれることをおすすめしたい。以下では、各ポイントについて説明するとともに、みずからとりくんだホームプロ、グループ入りしたリクルートの実例(B)を紹介する。
注
*1 『マーケティング戦略は、なぜ実行でつまずくのか』2016年、碩学社(発売:中央経済社)、『御社の商品が売れない本当の理由』2017年、光文社新書、『仕事に効くオープンダイアローグ』2019年、KADOKAWA