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情報誌CEL

浅利 美鈴

2022年09月01日

半径1メートルから地球規模の環境汚染を考える −京大発、プラスチックの消費者意識チャート

作成年月日

執筆者名

研究領域

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媒体(Vol.)

備考

2022年09月01日

浅利 美鈴

エネルギー・環境
都市・コミュニティ

エネルギー・ライフスタイル
地球環境
地域活性化

情報誌CEL (Vol.131)

ページ内にあります文章は抜粋版です。
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2022年4月より「プラスチックに係る資源循環の促進等に関する法律(プラスチック資源循環法)」が施行された。海洋プラスチックごみ問題、気候変動問題、諸外国の廃棄物輸入規制強化等への幅広い課題に対応するため、日本でも「3R+Renewable」を基本原則とした取り組みが始まっているが、消費者の認識はまだ十分といえる状況ではない。
そんななか、京都大学で開発・活用されているのが、消費者のプラスチック製品に対する意識・行動の可視化ツール"プラ・イドチャート"だ。プラスチックとの付き合い方を「見える化」するというユニークな構想の背景、そしてチャートから見えたものとは?

プラスチックごみ問題を考えるための新しい視点

従来の温室効果ガスによる気候変動問題に加え、近年は海辺に漂着した夥おびただしいプラスチックごみの状況、生態系を脅かすマイクロプラスチック[*1]など、世界規模のプラスチックごみによる汚染がクローズアップされ、循環利用されなかった廃棄プラスチックに対する問題意識がいよいよ高まっている。そんななか、プラスチックごみ量がアメリカに次いで世界2位の日本でも、中国はじめ諸外国がこれまでの廃棄物輸入を次々に停止している現状等を受け、2019年にプラスチック資源循環戦略が策定、21年にはプラスチック資源循環法[*2]が成立し、22年に施行の運びとなった。

これらの経緯を通じ、消費者にとってもプラスチックの資源循環が重要であるという意識が高まっているのは間違いない。が、温度差はなお大きく、レジ袋の消費などを減らす以外、何をすべきかわからないと戸惑う人も多いのではないだろうか。そんな折も折、消費者の意識・行動変容の一助となる興味深い研究発表が行われた。演題は「消費者は、様々なプラを、どの程度、必要としているのか?」で、発表は京都大学大学院地球環境学堂准教授である浅利美鈴氏を代表とするチーム。去る6月10日と11日、京都にて開催された「プラスチックにまつわる消費者・事業者・行政の動き セミナー&共創会議」のセミナー発表のひとつである。

[*1]5mm以下の微細なプラスチックの総称。海域環境中に滞留することによる生態系への影響のほか、人体への健康被害も懸念されている。
[*2]プラスチック製品の設計から販売、廃棄物の処理という全体の流れのなかで3R(リデュース、リユース、リサイクル)に加え、再生素材や再生可能資源への適切な切り替え(Renewable)を進め、循環型経済への移行推進を目指す法律。

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