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情報誌CEL

山納 洋

2025年03月01日

企業が文化芸術とともにできること

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2025年03月01日

山納 洋

住まい・生活
都市・コミュニティ

ライフスタイル
まちづくり
コミュニティ・デザイン

情報誌CEL (Vol.136)

ページ内にあります文章は抜粋版です。
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大阪ガスは地域共創活動の一環として、広く文化・芸術活動に関わってきた。1933年竣工のガスビル(南館)には、600人収容の講演場が設けられ、「文化の殿堂」として親しまれていた。また1986年には、創業80周年を機に、長期的視点と広い視野で魅力ある地域社会の姿、人々の暮らしを研究するエネルギー・文化研究所(通称CEL)を設立し、翌年には情報誌『CEL』も生まれている。
CEL設立前年の1985年には、大阪市北区にあった支社跡を活用し、小劇場、映画館、雑貨店、カフェレストラン、ギャラリーを備えた複合文化施設「扇町ミュージアムスクエア(OMS)」を運営してきた。1994年には同施設の10周年記念事業として「OMS戯曲賞」をスタート。関西を拠点に活動する若手・中堅劇作家の才能を見出す事業として現在まで継続している。
一方で2000年頃を境に、企業の社会貢献活動の方向性は大きく変化している。企業メセナ協議会は2001年に「パトロンからパートナーへ」と題した提言を発表。それまでの支援する側とされる側という一方的な関係から、双方が持てる資源を提供し合い、新たな取り組みを始める「双方向的な関係の構築」というビジョンを示している。私たちもこの流れを受け、社会貢献活動において、企業とアーティストがともに手を携え、社会的課題に取り組むという方向性を強く意識するようになった。
そこで2011年には、OMS戯曲賞の最終選考に残った劇作家が、関西に実在した人物、実際に起こった出来事を取材して作品化するラジオドラマ・朗読劇シリーズ「イストワール」をスタート。栗本研究員が1994年から継続してきた「語りべシアター」同様に、地域の文化や歴史を掘り起こし、作品化して紹介する地域共創活動の新たな提案として、これまでに10作品余りを公開してきた。
2022年からは、「しゃべる、きく、あそぶ演劇ワークショップ」と題して、児童養護施設の子どもたちを対象に、子どもたちの表現力や感受性を育み、信頼感、安心感を高めることに主眼を置いたプログラムを展開している。
今号の特集「文化芸術にできること」は、私たちにとっても“社会のための芸術”を志向する取り組みの現状と可能性、課題について改めて知る好機となった。ここから「企業が文化芸術とともにできること」をさらに深く見据え、新たな取り組みにつなげていきたいと考えている。

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【特集】文化芸術にできること −人をつなぎ、社会をひらく

人の心に寄り添い、生きる力を育む。 人と人をつなぎ、地域に新たな価値を生み出す。...

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