経済教育ネットワーク
2009年07月01日作成年月日 |
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2009年07月01日 |
経済教育ネットワーク |
住まい・生活 |
ライフスタイル |
情報誌CEL (Vol.89) |
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子どもたちが自ら考える力を身につけるために
「あなたは、今から牛丼屋を起業して経営者になります。では、どうすれば、うまく採算を上げ、借入金を返済していくことができるでしょうか」。中学校・高校の教室で、ゲーム感覚で牛丼屋経営をシミュレーションしていきながら、経営や労働の意味、金融の役割などを学ぶ―。
「こうした教材は、私たちのネットワークの仲間が開発したものです。授業を通して、生徒たちには、社会の仕組みのあり方を考える能力を身につけて欲しい」。こう語るのは、「経済教育ネットワーク」を運営する同志社大学経済学部教授の篠原総一氏。
牛丼屋経営のほかにも、マンションの耐震補強工事をテーマにした授業も提案している。「居住者の費用分担が必要ですが、あなたはどうしますか」という問いに対し、「支払わない」ということも選択肢の中にある。このとき、みんなが共通の利益を得るためにはどういう決断が必要かを共に考える授業。経済社会そのものを理解し、政府の役割をイメージすることにもつながるという。
もちろん、教材開発は同ネットワークの活動のうちの一部分。その目的は、経済教育を実践するさまざまな個人や団体を、ゆるやかなネットワークで結び、それぞれの教育活動の向上を支援しようとするものだ。
混迷する世界と日本の経済、広がる格差、展望しにくい未来…。こうした現状のなか、子どもたちに健全な経済社会のあり方を教えようと、篠原氏は有志の経済学者らとともに、学校の教師や研究機関、企業などに連携を呼びかけてきた。