小島 貴子
2009年07月01日作成年月日 |
執筆者名 |
研究領域 |
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2009年07月01日 |
小島 貴子 |
住まい・生活 |
ライフスタイル |
情報誌CEL (Vol.89) |
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「ラッキーをつかみ取る技術」
著書のタイトルと中身がこんなにも心地よく一緒であり、一文一文に膝を打ちたくなる本に出会えたことが、私には「ラッキー」だと感じられた一冊であった。
著者は、自分自身の体験と理論との重ねにとどまらず、ラッキーを起こす、起こすために必要不可欠な「見えることの難しい精神的な自律」を丁寧にエピソードと共に語ってくれている。
また、この本に共感できる重要なことは、綺麗ごとだけでなく、著者の実父の失敗や、著者自身の挫折も正直に語られていることであろう。
敢えて、経歴や学歴では輝かしい著者が、赤裸々に出自を書くことができることが、一番の自律の証であると私は感じた。
彼は言う、
「誰かが決めた基準に自分自身を合わせようとするキャリアを『相対的キャリア』と呼んでいます。これに対して、私が必要だと思うのが『絶対的キャリア』です。自分が何をしたいか、自分ならどう判断するかという基準を明確にし、それに沿って仕事をすること。キャリアも評価も自分で作り出そうということです。
『自立』ではなく『自律』です。『自立』は自分の力で生活する、一人前になるということです。当たり前のことですね。『自律』は自分で選んだことに責任を持つということ。自分で選んでいるという意識があるからこそ、コミットメントが生まれます」
そして、この本のヒロインは、著者の96歳になる祖母ではないだろうか? 51歳で運転免許を取り、現在も一人で旅行に行ける! 行っているエピソードの数々。好奇心に蓋をしない。アクティブな生き方をしている女性を著者は「我が祖母ながら憧れる」と言い切っている。
是非、ご一読をお勧めしたい。