濱 惠介
作成年月日 |
執筆者名 |
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2009年07月01日 |
濱 惠介
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エネルギー・環境 |
環境対応 |
情報誌CEL (Vol.89) |
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「環境家計簿」なるものをご存知だろうか。家庭で消費するエネルギーや水、日常生活で排出するゴミの量などを1ヶ月単位で記録して省エネルギーやものの浪費防止に役立てる書類または電子ファイルだ。消費量をCO2排出量に換算すると、自分の家庭がどのくらい環境へ負荷をかけているかを推定できる。
環境家計簿という呼び名は、言うまでもなく金銭の収支を記録し家計を管理する「家計簿」の考えを「環境を守る」という目的に拡大し使われはじめた。ここで述べる「エネルギー家計簿」は筆者の勝手な命名で、まだ市民権を得ていない。その内容は、環境家計簿の中からエネルギーの要素を取り出し、再生エネルギー獲得を評価に含めたもの、と解釈していただきたい。
ゴミの記録を含めないのは、その重さが環境負荷を的確には反映しないからで、また経験的にはゴミの計量があまり楽しい作業でないからだ。また水道の利用を含めていないのは、水の消費が電気・ガスの消費に比べCO2排出量で見た環境への影響が比較的小さいからである。
自家用車の燃料は「家庭部門」の定義には含まれないが、日常生活において大きな比率を占めるエネルギー消費だから、環境家計簿と同じくこれに含める。
一方、太陽光発電などの自前で獲得するエネルギーについては、環境負荷となるエネルギー消費を減らす、ないしそれを打ち消す(オフセットする)意味があり、その効果が適切に評価されるための工夫が必要だ。
環境への悪影響を減らすことはもちろん、家計を助け生活を上手に設計するためにも「エネルギー家計簿」が有効であると信じて、その実際を述べてみたい。