豊田 尚吾
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2009年07月01日 |
豊田 尚吾
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住まい・生活 |
消費生活 |
情報誌CEL (Vol.89) |
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はじめに
生活の悪化を懸念している人が多い(図1)。これはCELのみならず、様々なメディアから発信されている課題の認識である。そうであるならば、生活を取り巻く現状をどう認識し、どう対処していくべきなのかについて考える意義があるだろう。
今回、より具体的なテーマとして「生活設計」を選択した。これは、生活を家計、あるいはお金、という切り口で捉えることを意味している。また、それに加え、生活設計に、「自立と共生」という視点が重要であると考えた。これはCELが以前から注目してきたキーワードでもある。
図らずも、自立と共生は、昨今の政治シーンにおいてもクローズアップされる言葉になったが、季刊誌「CEL」の特集、および拙稿は、当然、それとは独立に論じていく。
拙稿では、「自立と共生の生活設計」に関する、筆者なりの理解と思いをもとに論じる。具体的には、?現在、多くの生活者にとって、生活設計を行う、あるいは見直す必要がある。?自立の要素を加味した生活設計が重要である。?共生の要素を加味した生活設計が必要である。これらを拙稿の定立として論証していくことを試みる。
最も論証が困難、あるいは意見が分かれるのが、共生の生活設計の必要性だろう。これに関して、緻密な哲学的議論を展開することは筆者の手に余る。したがって、多くの人に理解していただけ、賛否を判断していただけるように、できるだけ平易で基礎的な議論に努めたい。